
平安時代後期から約100年にわたり発展を続けた平泉。その時代、浄土思想に基づいて造られた寺院や庭園などが、2011年に世界文化遺産に登録されています。中尊寺もそのひとつです。
中尊寺は、寺伝によると、嘉祥3(850)年に比叡山延暦寺の高僧・慈覚大師円仁が開山。その後、奥州を統一した豪族・奥州藤原氏の初代・清衡(きよひら)が造営に着手しました。
鎌倉時代に記された『吾妻鏡』によると、全盛期は40以上の堂塔、300以上の僧坊があったという中尊寺です。
月見坂入口から宝物館「讃衡蔵(さんこうぞう)」までの道のりには、源義経と弁慶の像を安置する「弁慶堂」、中尊寺一山の中心道場「本堂」、目の治療の信仰を集める「峯薬師堂(みねやくしどう)」、縁結びのご利益があるといわれる「阿弥陀堂」など、さまざまなお堂が点在しており、これらは無料で拝観することができます。
そして、月見坂入口から歩いて15分ほどの場所には、仏像や経典、装飾品など、多くの貴重な文化財を収蔵する「讃衡蔵」があります。中尊寺に伝わる国宝・重要文化財を多数見ることができ、往時の歴史の重みを感じることができます。
奥州藤原氏初代・清衡は約20年の月日をかけて中尊寺一山に数々の伽藍造営を手がけました。現在も参拝できるのが「金色堂(こんじきどう)」。中尊寺創建当初の姿を今に伝える唯一の建造物で、国宝建造物第一号です。
金色堂は内外に金箔を押している皆金色(かいこんじき)の阿弥陀堂で、柱や天井、須弥壇の装飾にも、漆や螺鈿(らでん)などが贅沢に使われています。
平安時代の平泉は金や名馬の産地だったこともあり、奥州藤原氏は巨大な富を得ていました。当時は豪華絢爛な寺院を多く造ったといわれ、金色堂はまさにその時代を象徴する遺産です。
昭和37(1962)年から約7年かけて行われた昭和の大修理では、柱の螺鈿細工や壁の金箔などの装飾を復元。その修理時には、なんと約3万枚の金箔が使われたと言われています!
まばゆい輝きを放ち、圧倒的な華やかさ。平安時代の工芸技術の粋が注ぎ込まれたお堂は、必ず訪れたい場所となっています。









◆基本情報◆
所在地
〒029-4102
岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202
交通アクセス
(1)平泉駅から車で5分
(参道入口から徒歩/15分)
拝観
3月1日~11月3日 8:30~17:00
11月4日~2月28日 8:30~16:30
料金
大人:800円 金色堂・讃衡蔵
高校生:500円中学生:300円小学生:200円
お問い合わせ
0191-46-2211
ホームページhttp://www.chusonji.or.jp/