富士山を学び、体験できる場所 静岡県富士山世界遺産センター (前編)

静岡県富士山世界遺産センターは、静岡県富士宮市宮町にある博物館です。

静岡県富士山世界遺産センター

静岡県富士山世界遺産センターは、富士山の自然や文化を学べる施設です。その中でも「登拝する山」ゾーンでは、らせん状のスロープを登ることで、富士登山の雰囲気を体感できる展示が用意されています。全長193メートルのスロープを歩きながら、映像や展示を楽しむことができます。

静岡県富士山世界遺産センター 登拝する山

館内に入ると、中央にはらせん状のスロープが広がっています。スロープの壁面には、富士山に関するさまざまな展示があり、歩きながら知識を深めることができます。スロープを上るにつれて、視界が変化し、まるで本当に登山しているかのような感覚になります。

静岡県富士山世界遺産センター 登拝する山

スロープの壁には、富士山の歴史や自然環境を紹介する展示物が掲示されています。富士山が長い年月をかけて形成された様子や、山にまつわる信仰について学ぶことができます。さらに、富士登山のルートや標高ごとの特徴なども詳しく解説されています。

静岡県富士山世界遺産センター 登拝する山

展示の一つでは、富士山の四季折々の映像が流れています。のどかな風景の中にそびえる富士山や、雪に覆われた冬の山頂、吹雪の様子など、さまざまな表情を見ることができます。映像を通して、実際に登った際の景色をイメージすることができます。

静岡県富士山世界遺産センター 登拝する山

夜の富士山を捉えた映像もあります。街の明かりが麓に広がり、その奥には雄大な富士山が浮かび上がります。さらに、天体の動きを映したタイムラプス映像では、星々が流れるように輝き、幻想的な風景が広がります。

静岡県富士山世界遺産センター 登拝する山

スロープを進むにつれ、標高が上がるイメージで景色が変わっていきます。低地では緑豊かな風景が広がっていますが、高度を上げるにつれて、より厳しい環境が映し出されます。歩きながら、実際の富士登山の感覚を味わうことができます。

静岡県富士山世界遺産センター 登拝する山

スロープを登ると、五合目を超えたあたりから展示されている映像の景色が一変します。森林限界を超え、木々がなくなり、雲が下に広がる様子が見られます。これにより、よりリアルな富士山の登山体験ができるようになっています。

静岡県富士山世界遺産センター 登拝する山

らせん状のスロープは、何度も回りながら展示棟の5階へと続いています。

静岡県富士山世界遺産センター 登拝する山

スロープの終盤に差し掛かると、まるで富士山の山頂に立っているかのような風景が広がります。地上からの景色とは異なり、雲が遥か下にも上にも広がり、澄み渡る青空が広がります。足元にはゴツゴツとした岩肌が再現されており、富士山特有の風景を感じることができます。

静岡県富士山世界遺産センター 聖なる山

スロープには、ところどころに分岐があり、展示場が設けられています。「聖なる山」ゾーンでは、富士山の美しい景色や豊かな自然が、長い歴史の中でさまざまな信仰を生み出してきたことを紹介しています。富士山は、古くから神聖な存在とされ、多くの人々の心のよりどころとなってきました。このゾーンでは、富士山への信仰をキーワードに、富士山が持つ普遍的な価値について知ることができます。

静岡県富士山世界遺産センター 荒ぶる山

「荒ぶる山」ゾーンでは、富士山が環太平洋火山帯の一角で生まれた若く活発な火山であることを紹介しています。広大な太平洋を囲む「火の輪」の中で形成された富士山は、約3万5千年前に人類と出会いました。このゾーンでは、富士山と人との関わりがどのように始まり、どのように発展してきたのかを知ることができます。

静岡県富士山世界遺産センター

「登拝する山」のでは、映像や展示を通じて富士登山の魅力を体験することができます。スロープを上ることで、自然と高度を意識しながら進める仕組みになっています。視覚的な演出が多く、飽きることなく楽しめます。

静岡県富士山世界遺産センター

スロープを登り終えると、展望ホールにたどり着きます。ここからは、本物の富士山を眺めることができます。天候が良ければ、実際の山頂や遠くの景色まで見渡せる絶好のスポットになっています。

静岡県富士山世界遺産センター

この日はあいにくの雨で、窓の向こうは一面の灰色でした。雲に覆われ、富士山の姿はまったく見えません。本来ならば、目の前に雄大な姿があるはずなのに、ただの灰色の空間が広がっているだけでした。それでも、ガラス張りの開放的な空間が広がり、山の方向を感じることができます。

静岡県富士山世界遺産センター

展望ホールには、晴れた日に撮影された富士山の写真が展示されていました。そこにはくっきりと映る富士山の姿があり、まるで実際に目の前に現れたかのようでした。同じ場所に立っているはずなのに、天候の違いでまったく別の景色になるのが印象的でした。

静岡県富士山世界遺産センター

展望ホールには、富士山がどこから見えるのかを示す展示がありました。最も遠い場所は和歌山県で、西の端からもその姿を確認できるそうです。東北では福島県から見ることができるとのことで、改めて富士山の存在感の大きさを感じました。

静岡県富士山世界遺産センター

静岡県富士山世界遺産センターは、らせんスロープを上ることで、富士登山の雰囲気を味わうことができる博物館です。天候に左右されるものの、写真や展示を通じて富士山を知ることができ、興味深い内容が詰まっています。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。