中田島砂丘は、静岡県浜松市中央区中田島町にある砂丘です。

浜松市の南部に位置する中田島砂丘は、南北に約0.6km、東西に約4kmの広さを持つ砂丘です。ここからは、広大な遠州灘海岸を一望することができます。海風が砂丘の表面に描く風紋は美しく、まるでアート作品のようです。5月3日〜5日に浜松まつりの凧揚げ会場となるほか、映画やプロモーションビデオの撮影地としても利用されています。

入口には石段があり、それを上ると広場のような空間が広がっています。初めて訪れると、まるで普通の公園のような雰囲気を感じるかもしれません。砂丘というと過酷な自然環境を想像しますが、このエントランス付近は整備されており、比較的歩きやすくなっています。ここから先に進むことで、本格的な砂丘の景色へと入っていくことができます。

エントランスの一角には檻のような展示物があり、その中にはアカウミガメの模型が置かれています。これは、実際にこの砂丘で産卵するアカウミガメを紹介するための展示です。アカウミガメは絶滅危惧種に指定されており、その生態や保護活動について知ることができます。この模型を見てから砂浜へ向かうと、より一層自然の尊さを感じられるかもしれません。

この檻のような展示物は、ウミガメのふ化小屋をイメージして作られています。砂丘に産み落とされた卵はそのまま放置すると危険が多いため、NPO団体が保護し、ふ化後に海へと放流する活動を行っています。ここでは、その取り組みを視覚的に伝えるためにオブジェとして再現されています。絶滅危惧種の保護活動について考えるきっかけにもなる展示です。

エントランスを抜けると、目の前には一面の砂丘が広がっています。まるで砂漠のような風景が続いており、遠くの地平線まで砂に覆われた世界が続いているように見えます。砂丘ならではの起伏があり、風によって形作られた美しい模様が広がっています。この風景を前にすると、まるで異国の地に来たかのような感覚になります。

中田島砂丘には、堆砂垣と呼ばれる施設が設置されています。これは、強風による砂の移動を抑えるためのもので、砂が飛ばされないように工夫されています。堆砂垣に当たった風は勢いを弱め、砂が自然と下に積もる仕組みです。砂が溜まると、その上に新たな堆砂垣を設置し、砂丘の高さを維持していきます。このようにして、砂丘の環境が守られています。

実際に歩いてみると、砂が非常にさらさら、ふかふかとしており、足を踏み入れるたびに沈み込む感覚があります。そのため、普通の道を歩くよりも体力を使います。一歩進むごとに砂に足を取られ、思った以上に歩くのが大変です。しかし、その分、砂丘を踏みしめながら進む感覚は特別なものがあり、大自然の中にいることを実感することができます。

砂丘の奥へ進んでいくと、大きな砂の丘が見えてきます。そこへ辿り着くには、それなりの距離を歩く必要があります。さらさらの砂の上を歩くため、普段の散歩とは違い、予想以上に体力を消耗します。しかし、その先に広がる景色を想像すると、自然と足を進めたくなります。
砂丘を進んでいくと、水たまりが現れました。周囲には水源らしきものがなく、ただの砂地なのに、そこだけ水が溜まっているのが不思議な光景です。これは雨が溜まったり、地下水が染み出しているためにできるもので、砂漠のオアシスのような雰囲気を感じることができます。

大きな砂丘を登ると、その左右には意外にも平らな道が続いています。まるで砂の堤防のような雰囲気があります。堰堤のように等しい幅で東西に伸びており、まっすぐ歩くことができます。ここで一息つきながら、どちらの方向へ進むか考えるのも面白いかもしれません。
砂丘の山を越えても、海岸まではまだ距離があります。この地点でちょうど半分くらいでしょうか。目の前には、まだまだ続く砂の道が広がっています。遠くには波の音が聞こえ、海が近づいていることを感じます。ここからはラストスパートといったところです。

ここで一度振り返ると、エントランスが遠くに見えます。かなりの距離を歩いてきたことが実感できます。はるか後方に入口が小さく見えると、自然と達成感が湧いてきます。

ここまで歩いてきたら、もう少し進んで海岸まで行ってみましょう。果たして、どのような風景が待っているのでしょうか。期待が高まります。