窟観音は、山梨県韮崎市中央町にあるお寺です。
韮崎市の七里岩末端に位置する雲岸寺の窟観音は、断崖絶壁の中腹にある洞窟に本尊の聖観世音菩薩が安置されている寺院です。弘法大師空海がこの地に観音石仏を祀ったとされ、室町時代に祖慶和尚によって開基されました。お堂は岩壁に張り出すように建てられた珍しい舞台造りで、境内には千体仏が並ぶ独特の雰囲気を持つ場所です。
七里岩の南端に位置する窟観音は、断崖の斜面にひっそりとたたずんでいます。お堂へ向かうには、崖下から急なコンクリートの石段を登る必要があります。足元に気をつけながら進むと、目の前には洞窟の入り口が見えてきます。ここが、窟観音の入口です。
入口には「窟観音」と刻まれた石柱が立ち、その先には人が一人通れるほどの小さな穴が壁に開いています。ここをくぐることで、窟観音へと進むことができます。
洞窟の中は天井が低く、入り口付近では中腰で進む必要があります。しかし、少し奥へ進むと空間が広がり、双方向に通れる程度の幅になります。ひんやりとした空気が漂い、厳かな雰囲気が感じられます。
洞窟は北側と南側でつながっており、通り抜けることができます。その道中には無数のお地蔵様が並び、静かに祈りを捧げる場となっています。
洞窟を抜けると、目の前に朱色のお堂が現れます。崖に張り付くように建てられたその姿は、まさに「懸造り」と呼ばれる独特の建築様式です。
お堂は岩壁の上に張り出すように建てられ、眼下には七里岩の絶壁が広がっています。周囲を見渡すとその迫力に圧倒され、思わず息を呑むほどの景観です。
お堂の中には無数の仏像が並び、千体仏が安置されています。一体一体に込められた祈りを感じながら、厳かな雰囲気に包まれる瞬間です。
お堂の中を覗き込むと、そこには千体の仏が整然と並んでいます。その静寂と厳かさに、思わず手を合わせたくなるほどの空間です。
断崖の洞窟と千体仏が印象的な窟観音は、歴史と信仰が息づく特別な場所でした。険しい道のりの先に広がる景色と、千体仏の神聖な空間は一見の価値があります。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。