猫とバラと静寂のガーデン ドリプレ・ローズガーデン

ドリプレ・ローズガーデンは、千葉県君津市大野台にある庭園です。

ドリプレ・ローズガーデン

千葉県君津市の山あいにある「ドリプレ・ローズガーデン」は、約5,000坪の敷地に広がる手づくりのバラ園です。オーナーご夫婦が18年の歳月をかけて整備した園内には、イングリッシュローズやオールドローズなど、香りにこだわったバラが約3,000本植えられています。すべて無農薬で育てられており、植物にやさしい環境が整えられています。さらに、ハーブや宿根草も多く、四季折々の花々を楽しむことができます。自然と一体になったような感覚で散策できる空間です。

ドリプレ・ローズガーデン

園内には柔らかく手入れされた芝生が広がり、細い小径が続いています。イギリスの田舎町を歩いているような気分を味わうことができます。草花はバランスよく植栽され、自然の流れを感じながら歩くことができます。どこを切り取っても絵になる景色が続いており、非日常の世界へ誘ってくれます。まるで異世界に迷い込んだような気分です。

ドリプレ・ローズガーデン

入口にはレンガ造りのゲートがあり、木々に囲まれた空間へと自然に誘導されます。その奥には洋風の一軒家がひっそりと佇み、まるで物語の中に登場する古い洋館のような雰囲気を漂わせています。

ドリプレ・ローズガーデン

ガーデンの入り口付近にある木の扉には、美しいステンドグラスが埋め込まれており、室内の光を受けてやわらかく輝いています。色とりどりのガラスが織りなす模様は、静かな空間にささやかな華やぎを添えています。この扉は、猫たちがしばしば抜けていく場所でもあり、小さな体でひょいと通り抜ける様子が微笑ましく映ります。

ドリプレ・ローズガーデン

館内に入ってすぐ目に入るのが、雑貨やグッズが並ぶ物販エリアです。猫にちなんだアイテムが豊富に揃っており、マグカップやティースプーン、トレイなど、おしゃれなカフェで使われていそうなデザインのものが多く並んでいます。どれもセンスがよく、ナチュラルな雰囲気が魅力的です。購入して自宅で使うと、まるでこのガーデンのカフェにいるような気分になり、日常にちょっとした特別感を加えることができます。

ドリプレ・ローズガーデン

物販エリアの奥には、大きくてふかふかのソファが置かれたスペースがあります。幅が広く、人が一人座ってもまだ余裕があります。このソファでは、ゆったりと腰かけながら猫たちと自然にふれあうことができます。ガーデン内でも特に贅沢な体験をすることができる、心がゆるむ場所です。

ドリプレ・ローズガーデン

撫でてもまったく嫌がらず、まるでこの場所の主のように落ち着いた様子を見せる猫や、警戒心があり、近づくとすっと立ち上がって静かにその場を離れていく猫もいます。猫たちの性格の違いも感じられて、自然体な姿に癒される空間です。

ドリプレ・ローズガーデン

物販エリアのさらに奥には、小さな部屋が設けられています。ここにはセレクトされた書籍や猫モチーフのアクセサリが並んでおり、どれも丁寧に配置されています。アンティーク調の棚やトレーに並べられた雑貨は、可愛らしさと上品さをあわせ持ち、見ているだけでも心が満たされていきます。書籍は園芸や猫に関する内容が中心で、思わず手に取りたくなるような表紙ばかり。ゆっくり眺めるだけでも楽しい空間です。

ドリプレ・ローズガーデン

小部屋の特徴は、思いのほか高い天井と、柔らかく空間を照らす間接照明です。明るすぎない光が全体に広がり、秘密の部屋に迷い込んだような不思議な気持ちになります。壁面には絵やリースなどがさりげなく飾られていて、どこか外国の小さな田舎町の家を思わせます。時間を忘れて過ごせるこの場所は、ガーデン全体の雰囲気を凝縮したような、静かであたたかい空間です。お気に入りを探す楽しさがあります。

ドリプレ・ローズガーデン

カフェスペースには、店内のテーブル席だけでなく、ガーデン席も用意されています。季節の花々が咲く庭を眺めながら、外の空気を感じて過ごすことができます。木製のテーブルやチェアが芝生の上に自然に配置され、日差しの角度や風の流れによって、時間の移ろいを感じることができます。バラの香りと緑の匂いが混じった空間でのティータイムは、日常とは違うひとときを演出してくれます。

ドリプレ・ローズガーデン

テーブルの上には、縦長で見やすくデザインされたメニューが置かれています。内容はシンプルで分かりやすく、コーヒーや紅茶といった定番ドリンクの他に、アップルジュースなどの果実系ドリンクも掲載されています。文字のフォントや紙質にもこだわりが感じられ、全体の雰囲気と調和しています。注文前に眺めているだけでも、この空間での時間がより楽しみになってきます。

ドリプレ・ローズガーデン

今回はホットコーヒーを注文しました。ほどよい苦味と深みのある味わいで、香ばしさがしっかりと感じられる一杯です。温かいカップを手に持った瞬間、ほっとするような感覚が広がります。器は落ち着いた色合いの陶器で、手になじむ形が印象的でした。バラ園の風景を眺めながら飲むコーヒーは格別で、ゆったりと流れる時間に身をまかせることができます。

ドリプレ・ローズガーデン

続いて、紅茶を注文すると、可愛らしいポットで運ばれてきます。リーフティーをしっかりと蒸らしてからティーカップに注ぐスタイルで、本格的な紅茶が楽しめます。ポットにはティーコジーがかけられており、最後まで温かさを保ってくれます。カップ&ソーサーもアンティーク調で、どれも美しい絵柄が入っています。ゆっくりと注ぎ、香りを確かめながら飲む紅茶は、ガーデンの雰囲気にぴったりです。

ドリプレ・ローズガーデン

紅茶が蒸らされるまでの時間もまた、楽しみのひとつです。ポットのふたを少し開けると、ふわりと広がる茶葉の香りが鼻をくすぐります。ローズの香りと重なり合い、自然と呼吸が深くなります。待つ時間さえも心地よく感じられ、急ぐ必要のないこの空間ならではの贅沢です。お気に入りの香りを見つける楽しさもあり、感覚を使って紅茶と向き合う時間です。

ドリプレ・ローズガーデン

スイーツの中で印象的だったのが、生チョコケーキです。しっとりとした食感のケーキの横には、ふんわりと盛られたホイップクリームが添えられ、その上には小さな一輪の花が飾られています。見た目の可愛らしさに心が弾み、食べるのが惜しく感じるほどです。甘さは控えめで、口の中でなめらかにとろけるチョコレートの味わいが広がります。紅茶やコーヒーとの相性も抜群です。

ドリプレ・ローズガーデン

ガーデン内で暮らしている猫たちは「猫スタッフ」として紹介されており、写真で一覧が配布されています。一匹一匹に名前があり、写真を見ただけで顔と名前が一致するようになっています。どの子も個性的で、毛並みや表情から性格まで伝わってくるようです。実際に会った猫がこの中にいると、ちょっとした親しみが湧いてきて、自然と名前を呼びたくなります。

ドリプレ・ローズガーデン

食事をしていると、猫たちがふと近づいきます。人が立ち上がった直後の椅子に、すかさず猫が乗っていることもあり、あたたかさが残る場所が好きなようです。どこかで見守っていたかのように静かに行動するその様子は、微笑ましくもあり、不思議と自然に受け入れてしまいます。このガーデンでは、猫との距離感がとても心地よく保たれています。

ドリプレ・ローズガーデン

ドリプレ・ローズガーデンは、バラの香りと猫たちの存在に包まれながら、静かでやさしい時間を過ごせる場所です。心が落ち着くひとときが、ここにはあります。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。