深川不動堂は、東京都江東区富岡にあるお寺です。

深川不動堂は、千葉県成田市の大本山成田山新勝寺の東京別院です。東京・門前仲町の町中にありながらも、参道や境内の雰囲気には本山と同様の荘厳さがあります。成田山新勝寺と同じく、交通安全や家内安全などの祈願を行うことができます。江戸の頃からこの地で篤く信仰され、多くの参詣者が足を運ぶ場所として知られています。

東京メトロ東西線または都営大江戸線の門前仲町駅を出ると、すぐ目の前に「赤門」と呼ばれる立派な朱塗りの門が見えます。この門をくぐると、一気に寺域の空気に切り替わります。駅からわずか徒歩1分の距離で到着できるため、アクセスも抜群です。赤門のインパクトは、初めて訪れた人にも強い印象を与える建築です。

お正月の時期になると、赤門には「謹賀新年」と大きく書かれた垂れ幕が掲げられます。これが境内の正月らしい雰囲気をいっそう盛り上げます。初詣の参詣者でにぎわい、参道や境内では、露店や縁起物の販売も行われます。新年の始まりを清々しく迎えることができる場所です。

赤門をくぐった先には「ご利益通り」と呼ばれる参道が続いています。通りの両側にはお土産屋や飲食店、占い処などが軒を連ね、にぎやかな雰囲気です。そのまま道なりに進むと、正面に大きな深川不動堂の本堂が姿を現します。参道からの高揚感が、そのままお堂への期待感につながります。

境内に足を踏み入れると、すぐに線香の香りが漂ってきます。香炉の前では、多くの参詣者が煙を浴びており、その様子を見ると自然と手を合わせたくなります。香の香りが心を静め、気持ちを整えることができます。寺院ならではの落ち着いた空気が流れています。

境内の中心部にある香閣では、線香を供えることができます。参詣者が絶えず集まっており、香炉から立ち上る煙を浴びて体の悪い部分を清める姿が見られます。香の香りが周囲に漂い、静かで神聖な空気を感じることができます。

現在の本堂の横にある木造建築は、旧本堂にあたります。この建物は元々千葉県印旛沼近くの龍腹寺にあった地蔵堂を、1951年に移築したものです。関東大震災や第二次世界大戦で焼失した歴代の本堂の代わりとして用いられてきました。現在は江東区指定登録文化財で、区内最古の木造建築とされています。

年末年始の時期には、本堂前に設けられた特設の階段が参拝の動線として整備されます。この工夫によって、混雑する時期でも比較的スムーズに参拝を行うことができます。参詣者の流れを整理する工夫がなされており、安心してお参りできるのが印象的です。

深川不動堂の本堂は、見上げるほどに迫力のある建物です。外壁にはガラスパネルのような素材に斬新な仏教モチーフのデザインが施され、従来の寺院建築のイメージを大きく覆しています。そのモダンさと荘厳さが絶妙に融合しており、現代的な寺院建築の代表例として注目されています。

本堂の外壁には、「真言梵字 (ぼんじ)」が一面に配置されており、お不動様のご真言に包まれる空間が演出されています。荘厳な雰囲気が漂い、そこに立つだけで仏の力に守護されているような感覚になります。現代建築と宗教的荘厳さが融合した見事な設計です。

本堂内では御護摩祈祷が随時行われており、祈祷時間は大型モニターに表示されています。そのため、参詣者は待ち時間や次の開始時間を確認しやすくなっています。伝統的な護摩の儀式と、現代的な案内方法の融合により、誰でも安心して参列することができます。

本堂内にある「祈りの回廊」では、約1万体のクリスタル五輪塔が並び、きらめく空間が広がっています。無数の輝きの中に身を置くと、言葉にできない不思議な感覚を味わうことができます。光の演出と仏教的象徴の調和が美しく、心を静める体験ができます。

境内に入ってすぐ右手には、総檜造り檜皮葺きの社殿が立っています。これは成田山開運出世稲荷のご分霊を勧請した社殿で、開運や出世にご利益があるとされます。社殿のまわりには奉納されたのぼり幡が風にたなびき、神聖な雰囲気を高めています。毎年2月15日と9月15日には、例大祭と開創記念大祭が行われています。

深川不動堂の本堂は、従来の寺院のイメージを覆すほどのインパクトあるデザインが特徴です。伝統と現代を見事に融合させた建築は、一度見ると忘れられません。門前町のにぎわいも含め、都市の中にある信仰の空間として非常に特異な存在です。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。
- 2019/03/30 初版
- 2024/12/29 更新