堰の持つ静と動のコントラスト 笹井堰

笹井堰は、埼玉県狭山市笹井にある堰です。

笹井堰

笹井堰は、埼玉県狭山市笹井にある堰です。西武バスの「笹井ダム」停留所から徒歩で行くことができます。名称に「ダム」とありますが、河川法の定義では高さ15メートル未満のため「堰」に分類されます。

笹井堰

笹井堰には、説明パネルが設置されています。そこには、堰の構造や歴史についての手がかりになる説明があり、工事の経緯や役割を知ることができます笹井堰は、農業用河川工作物応急対策事業として、1980年から1985年にかけて工事されました。入間第二用水の取水堰としての役割を果たしており、現在も水の流れを調整しながら、地域の農業用水を支えています。

笹井堰

笹井堰は、長さが212メートルもあります。そのため、向こう岸が遠く、全体を一望するのが難しいほどの規模です。川の流れに沿って長く続くコンクリートの堰は、人工物でありながらも風景に溶け込んでいます。

笹井堰

堰の上流側では、川の流れが非常に穏やかになっています。水面が静かで、まるで池のように見えるほどです。このあたりでは、水がせき止められているため、大きな波もなく、緩やかな流れとなっています。

笹井堰

笹井堰の上流には、入間川が広がっています。入間川は埼玉県内を流れる一級河川で、新河岸川へとつながります。川の流れは、場所によってさまざまな表情を見せますが、この堰の付近では特に静かです。

笹井堰

下流側に目を向けると、上流とは対照的な景色が広がっています。堰の下を流れ落ちる水は勢いがあり、白く泡立っています。河川法の基準では、高さ15メートル未満のものは堰とされるため、ここは「ダム」ではなく「堰」に分類されます。とはいえ、実際に目の前で見ると、しっかりとした構造を持ち、水をコントロールしている様子が分かります。

笹井堰

下流側には魚道が設けられており、魚が遡上できるようになっています。この魚道は、1段目、2段目、3段目と段差を設けることで、水の流れを緩やかにし、魚が少しずつ上へと進めるようになっています。水の勢いがあるため、魚がうまく遡上できるかどうかは、状況によるようです。それでも自然の仕組みに近づけた造りになっており、魚にとっての重要な通り道となっています。

笹井堰

笹井堰には、立ち入り禁止の標識が設置されています。特に下流側は水の勢いが強く、近づくと非常に危険です。水流に巻き込まれると脱出が困難になるため、注意が必要です。また、雨が降った後や増水時にはさらに危険度が増すため、普段以上に警戒しなければなりません。近くで見る際は、安全な場所から観察するようにしましょう。

笹井堰

笹井堰は、上流側は静かな水面が広がり、下流側は勢いよく流れる水が特徴的です。魚道も設置され、川の生態系に配慮した構造になっています。長さ212メートルの堰を間近で見ると、その規模の大きさを実感できます。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。