弘法大師の芋井戸は、千葉県南房総市白浜町白浜にある井戸です。

千葉県の房総地方に伝わる「弘法大師の芋井戸」は、施しを拒んだ老婆が煮た芋を井戸に投げ捨てたことで、その井戸から芋の葉が生い茂り、水が湧き出したという話です。伝説に登場する旅の僧は弘法大師であるとされ、老婆は自らの行いを反省し、信仰心を持つようになったと伝えられています。現在でも芋井戸からは水が湧き続けており、芋の葉も確認することができます。

井戸は四角く縁取られており、水面は静かに落ち着いています。底まで透き通るような清らかさがあり、そこに一匹の鯉が泳いでいます。動きはゆっくりとしており、その存在が場に静かな時間をもたらしてくれます。井戸というよりは小さな泉のような雰囲気すらあります。
鯉は井戸の中を自由に泳ぎ、水面には優しい水紋が広がります。その波紋が空の光を反射し、時おりきらめくように揺れています。自然の光と水が織りなす美しさがあり、その中を泳ぐ鯉の動きはまるで水の精のようにも映ります。心を落ち着かせてくれます。

井戸からは今でも水が湧き出しており、澄んだ水面には芋の葉が浮かび、まるで昔話の一場面がそのまま残っているようです。井戸を覗き込むと、時代を超えた伝承の重みが感じられます。この地が、何か特別な力を持っているようにも思えてきます。

弘法大師の芋井戸は、ただの伝説ではなく、今も現地で水を湧き続ける井戸とともに語り継がれています。物語と自然が共に残る場所として、静かな感動を与えてくれます。現代にも通じる教訓が、この井戸には込められています。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。