時代を大切に積み重ねてきた空間 珈琲専門店東亜

珈琲専門店東亜は、東京都江東区門前仲町にある喫茶店です。

珈琲専門店東亜

トーアコーヒーは、コーヒー豆の品質に徹底してこだわる会社です。日本で初めて「カップ・オブ・エクセレンス」の落札企業となった実績を持ち、コーヒーの世界基準に深く関与しています。非営利団体ACE(Alliance for Coffee Excellence Inc.)の設立基金にも出資しており、その功績により永久会員の資格を授与されています。確かな品質と持続的な信念が、一杯の珈琲に凝縮されています。

珈琲専門店東亜

門前仲町駅から地上に出ると、交差点の角に建つ一棟の建物が目に入ります。駅直結の立地で、交通の便がとても良いです。交差点を渡る人々の視線の先に、その建物はどっしりと構えています。慌ただしい通勤時間帯にも、ふと足を止めたくなるような落ち着いた外観が印象的です。

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レンガ調のファサードは風合いがあり、都会の中でも独特な存在感を放っています。年数を経て色褪せたように見えるレンガの色合いが、渋く、そして上品です。建物の色と調和した看板で、控えめな雰囲気が逆にその歴史とこだわりを語っているようにも感じられます。見上げるだけで期待感が膨らみます。

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入口は建物の正面1階にあります。ガラスの扉の内側からは、ぼんやりと赤みを帯びた柔らかな光が漏れていて、なんとも言えない温かさを感じます。パネルには「カフェ東亜サプライ」という文字が書かれており、外観との調和が取れた落ち着いた印象です。

珈琲専門店東亜

カフェの店舗は2階にあります。1階から階段を上がると、すでに時代を感じる空気が流れています。レトロというよりも、古き良きという言葉がぴったりです。手すりの形や照明の色合いなど、どこか懐かしく、心を落ち着かせる雰囲気です。昭和でもなく、大正とも言い切れない、時間が折り重なったような不思議な空間が広がります。

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2階の階段の手すりは太く、黒光りする木材でできていて、長年の使用を物語るツヤがあります。単なる古さではなく、丁寧に手入れされた歴史ある建築としての風格を保っています。細かいデザインの彫刻も美しく、階段を上がるだけで訪問の期待が高まります。

珈琲専門店東亜

店内は、建物の外観と通じる一貫した世界観に包まれます。レトロなインテリアが並ぶ空間は、古びた印象ではなく、整えられた美しさがあります。空気感にも清潔感があり、時の経過を楽しめるようなつくりです。奥行きのある店内は静かで、落ち着いた珈琲の香りが鼻先をかすめます。

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室内の色調はダークブラウンが基調で、天井からは小ぶりな電球と傘が下がっています。足元には赤い絨毯が敷かれており、足音までもが柔らかく感じられます。木製の椅子とテーブルも統一感があり、座るだけでゆったりとした時間が始まります。最近のチェーン店にはない、強い個性と哲学を感じる空間です。

珈琲専門店東亜

テーブルには、メニューが置かれていました。内容は豊富で、ドリンクやデザート、軽食系のパンからフードメニューまで揃っています。特に年末年始の限定メニューは、季節感を感じることができます。文字は読みやすく、レトロ調のデザインが店の雰囲気ともマッチしていました。

珈琲専門店東亜

メニューを開いた瞬間、まず目に飛び込んできたのがカレーライス。迷わず注文しました。見た目は素朴ながら、スパイスの香りが立ちのぼります。ご飯はやや硬めに炊かれていて、ルーとよく絡みます。どこか懐かしい味ながら、奥行きのある風味に仕上がっていて、まさに喫茶店らしい一皿です。ボリュームも満足感がありました。

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ハヤシライスも気になってしまい、思わず追加で注文しました。こちらはカレーとは対照的に、トマトの酸味と玉ねぎの甘みが特徴です。薄切りの牛肉がたっぷり入っていて、やさしい味わいです。ソースの濃度もちょうど良く、ご飯にしっかりと絡んでくれます。大人にも子どもにも受け入れられる味だと思います。

珈琲専門店東亜

ホイップクリームがたっぷりと乗ったウインナーコーヒーは、見た目の華やかさと飲んだときの口当たりが魅力です。苦みのある珈琲と、甘さ控えめのクリームとのバランスが良く、冷めにくいのも嬉しいポイントです。クリームが徐々に珈琲に溶け込むことで、味わいの変化も楽しむことができます。見た目にも温かみがありました。

珈琲専門店東亜

カフェオレは、ミルクの比率が高く、優しい味わいでした。しっかりと抽出された珈琲の風味を保ちつつ、ミルクがまろやかに包み込んでくれる一杯です。マグカップで提供されるため、ゆっくりと時間をかけて味わうことができます。ふわりと立ち上る湯気とともに、穏やかなひとときを演出してくれました。

珈琲専門店東亜

コースターにもこだわりが感じられました。トーアコーヒーのロゴ、コーヒーカップを持つ人物のイラストが描かれたデザインで、シンプルながらもセンスがあります。紙製ですがしっかりした作りで、使い捨てには惜しいほどです。テーブルの上にさりげなく置かれるこの小さなアイテムが、空間全体の完成度を高めています。

珈琲専門店東亜

珈琲専門店東亜は、珈琲の質の高さはもちろんのこと、食事メニューや小物にも丁寧な配慮が行き届いていると感じました。どのメニューにも妥協がなく、一品ごとに心を込めて作られていることが伝わってきます。時間がゆっくりと流れる空間の中で、丁寧なひとときを過ごすことができます。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。