木漏れ日の森の小径 躑躅ヶ崎園地

躑躅ヶ崎園地は、山梨県甲府市下積翠寺町にある森です。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

武田神社の奥、山のふもとに広がる「躑躅ヶ崎園地」は、静かな林の中を歩くことができる森林公園です。整備されたハイキングコースが続き、軽装でも気軽に歩けるのが魅力です。園地の中心には大きな広場があり、四方を囲む木々と頭上の空が開放感を演出しています。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

躑躅ヶ崎園地への入り口のひとつは、竜華池の南側、池の脇に沿って伸びる通路にあります。金属製の手すりが備えられた細い坂道から始まり、森の中へと進むことができます。歩き始めるとすぐに緑に包まれ、散策の導入として雰囲気も抜群です。ここから躑躅ヶ崎園地の静寂な空間への旅が始まります。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

園地の中には、よく整備された土の道が続いています。竜華池から東屋までの往復はおよそ45分ほどです。どこまでも続くかのような緑のトンネルを、ゆっくりと歩くことができます。森の香りや風の音に包まれながら歩く時間は、とても心が落ち着きます。

躑躅ヶ崎園地 (2023/11/24)

躑躅ヶ崎園地のある一帯は保安林に指定されています。自然環境を守るための区域であり、木々や草花がそのままの形で保たれています。公園とは異なる、自然そのものの姿を感じることができる場所です。こうした環境の中を歩くと、森林の静けさや生命の息吹をじかに感じ取ることができます。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

園内の道には、木製の道標が設置されています。「東屋」「竜華池」などの名前が書かれており、分岐点ごとにあるため迷う心配はありません。初めて歩く人でも安心して進むことができます。道標のデザインも自然に溶け込んでおり、景観を損ねることはありません。

躑躅ヶ崎園地 (2023/11/24)

11月後半に訪れたときには、紅葉はまだ完全ではありませんでした。木々には緑が多く残っており、夏の余韻を感じさせる風景です。ただし、虫が多く、蚊もまだ活動していました。訪れるなら、もう少し寒くなった時期のほうが快適に歩くことができます。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

年が明けた1月に再び歩いた際には、森はすっかり冬の景色に変わっていました。落ち葉が一面に積もり、歩くたびにサクサクと音を立てて心地よく響きます。葉を落とした枝の隙間からは陽光が差し込み、静けさと明るさが同居する空間が広がっていました。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

躑躅ヶ崎園地の奥に続くハイキングコースは、案内板では手軽な散策路として紹介されていますが、実際には標高差もあり、しっかりとした山道が続きます。特に要害山方面に向かうルートは傾斜も急で、滑りやすい箇所もあります。軽装では危険な場合があるため、登山靴や飲料水、帽子など、最低限の登山装備を整えてから出発することをおすすめします。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

歩き始めは木々に囲まれて視界が狭いのですが、躑躅ヶ崎園地へ向けて進むと次第に空が開けてきます。深い森の中を抜ける感覚があり、周囲の景色が徐々に変わっていくのを体感できます。足元には落ち葉、頭上には空、季節の変化をダイレクトに感じることができます。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

竜華池側から歩いていくと、道の途中に「躑躅ヶ崎園地 約100メートル」という看板が現れます。この看板が見えたら、ゴールまであと少し。足元に注意しながら、ゆっくり歩いても2分ほどで到着できます。看板は金属製で、表面には長年の風雨による錆が浮かび上がっています。年季の入った姿が、この場所が長く歩かれてきた道であることを物語っています。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

竜華池からの道を急いで歩いたため、足腰が重たくなり、息も少し上がってきます。それでも前方に目を凝らすと、草むらの先に小さく屋根が見えてきました。背丈ほどに伸びた草の奥、少し開けた場所に東屋が佇んでおり、そこが目的地であることをはっきりと感じ取ることができます。苦労して歩いたぶん、到着の喜びがひとしおです。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

躑躅ヶ崎園地には、大きな広場が広がっています。周囲を木々に囲まれながらも空が大きく開け、明るい空気に包まれた場所です。ここなら、ひと息つくこともできます。深呼吸をすれば、身体に溜まった疲れが抜けていくような気がします。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

冬の午後、振り返ると太陽が山の稜線に近づいています。1月の低い陽射しは、木の枝を長く地面に投げかけていました。夕方が近づくと、歩くたびに枝の影が伸びていくのが見え、時間の流れを肌で感じることができます。日没までの短い時間が、より貴重に思えてきます。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

東屋は、ちょうどハイキングコースの流れの中に自然と配置されています。園地の広場に差し掛かると視界が開け、その一角に東屋が見えてきます。その位置はまるで「ここでひと息どうぞ」と語りかけてくるようで、歩き疲れた足を止めるのにちょうどよいタイミングです。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

この東屋は、後方を木々に囲まれながらも、前方は大きく開けており、空を仰ぐことができます。屋根に守られながら、吹き抜ける風を感じることができるのも魅力です。木材の色合いはまわりの樹木と調和しており、人工物でありながら風景に溶け込んでいます。違和感がなく、自然の一部としてそこに存在しています。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

東屋の屋根の端や柱が、太陽に照らされて淡い金色に輝いています。特に冬の西陽は柔らかく、木材の質感を際立たせます。東屋の影は地面にくっきりと落ち、静かな時間の流れを刻んでいます。太陽が低くなった森の中では、光の動きが一層際立ちます。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

東屋のベンチに腰掛けると、冷たい空気の中にほんのりと温もりが感じられます。眼前の木々や、通ってきた散策道を眺めながら、かつての時代やこの地に立った人々のことを想像してしまいます。喧騒とは無縁の静けさが、思索の時間を与えてくれます。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

この園地は終点ではなく、通過点でもあります。道はさらに先へと続いており、山を越えて他の地点へもつながっています。軽いハイキングから本格的な登山まで、体力や気分に応じた歩き方ができます。分岐点には案内もあるため、進む方向を選ぶことができます。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

陽が沈む前に、来た道を戻って竜華池方面へと戻ります。木々の隙間から夕陽が斜めに差し込んできて、空気がいっそう澄んでいるように感じられます。寒い冬だからこそ、歩くことで身体も心も温まっていくのを実感できます。夕暮れの林道は、一歩ごとに美しさを増していきます。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

季節や時間帯によって表情を変える躑躅ヶ崎園地は、ただ歩くだけでも発見があります。保安林のなかで自然に触れ、自分のペースで歩くことができる空間が広がっています。静けさと、穏やかな明るさが印象に残ります。

躑躅ヶ崎園地 (2025/01/04)

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。

  • 2023/11/24 初版
  • 2025/01/04 更新