市川郷一宮浅間神社は、山梨県西八代郡市川三郷町高田にある神社です。
一宮浅間神社は、景行天皇の時代に創建された由緒ある神社です。864年の富士山大噴火後、正体山に浅間大社を祀ることが勅命により決定されました。その後、924年に現在の場所に遷宮され、長い歴史の中で幾度も再建を重ねてきました。現在の社殿は1704年に完成したものです。
市川郷一宮浅間神社は、最寄り駅のJR身延線・市川大門駅から南へ約1キロメートルの距離に位置しています。神社の入り口には「一宮浅間神社」と刻まれた号標や石柱があります。シンプルながらも存在感のある佇まいが目を引きます。
道路の脇には、朱色の鳥居があります。その先に続く階段が神社への入口を示しています。地形の特徴を活かしたこの設計は、参拝者を迎える象徴的な光景です。
階段には手すりが設置されており、誰でも安心して登ることができます。段を上るごとに周囲の空気が清々しくなり、自然と心が引き締まる感覚を味わえます。
階段を登りきると、目の前に楼門や社殿が現れます。歴史を感じさせる佇まいは圧巻で、思わず足を止めて見入ってしまいます。
境内を歩いていると、地面に埋まる形で残された石橋が目に留まります。川が流れているわけではないのに橋があるのが独特で、訪れる人々の印象に強く残る場所です。
さらに進むと手水舎があります。清らかな水が用意されており、心身を清めることができます。伝統的なデザインの手水舎は、静寂な境内に調和しています。
楼門は、朱色が目を引く美しい建造物です。その二階建ての構造は力強く、近くで見ると圧倒されるような迫力があります。歴史の中で多くの参拝者を迎えてきたその姿には、重厚感と同時に歴史的価値を感じ取ることができます。
楼門には、注連縄が飾られており、そこに紙垂が吊り下げられています。清潔に管理され、新しいように見える紙垂は、神社の神聖さが保たれていることを物語っています。自然と背筋が伸び、敬虔な気持ちになります。門をくぐると神聖な空気がさらに濃くなります。
楼門をくぐると正面には拝殿があります。拝殿へと続く石段にはゼニゴケが広がり、独特の風情を醸し出しています。ゼニゴケは丸みを帯びた形状が特徴的で、どこか神秘的な印象を与えます。この苔が石段に広がる光景は、自然が神社とともに息づいていることを感じさせてくれます。
一宮浅間神社では、鮮やかな朱色の社殿が目を引きます。拝殿は、歴史の中で何度も修復されながらも美しい姿を保っています。境内の無人の拝殿には書き置きの御朱印が用意されており、賽銭箱に浄財を納めることで受け取ることができます。手軽に参拝の記念を持ち帰ることができます。
拝殿の前には、訪れる人々の目を引く掲示板が設置されています。この掲示板には、新たに生まれた命の名前が記録されており、地域の人々にとって大切な場所となっています。一宮浅間神社が地域の暮らしと深く結びついていることを象徴しています。
拝殿の横には、御神木と思われる高さのある木が立ち、周囲にはアカマツの林が広がっています。このアカマツ林には県指定の自然記念物があり、自然の美しさを感じることができます。
本殿と拝殿は回廊でつながっており、境内全体に統一感のある造りが施されています。
さらに奥に進むと、鳥居と社殿が姿を現します。このエリアは、境内の中でも神聖な空間として感じられる場所です。
そこには境内社が祀られています。境内社についての具体的な情報や由来を探すことはできませんでしたが、それぞれが神社の一部として長い年月を共にしてきたことが伺えます。
境内には、もう一つ注目すべきポイントがあります。それは「とうろぶつさん」と呼ばれる石像です。
この石像には「おもかる石」としての役割があります。願い事を念じて持ち上げたとき、軽く感じたら願いが叶う、重く感じたらまだ努力が必要とされています。試してみると石仏ならではの重量感があり、不思議な体験ができます。
お地蔵さんを実際に持ち上げてみました。お地蔵さんを直接持ち上げる機会はなかなかありません。これ自体が新鮮で貴重な体験です。持ち上げたときの重さは、事前に想像していたものと大きく違いはありませんでした。願い事が叶うかどうかを試す「おもかる石」のような体験ですが、石仏ならではの重量感がしっかりと感じられます。
市川郷一宮浅間神社は、歴史的建造物や自然に囲まれた神社です。参拝を通じて歴史と自然を感じることができます。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。