白石が凛とした空間を演出する石庭 龍安寺

龍安寺は、京都市右京区龍安寺御陵下町にあるお寺です。

石庭(方丈庭園)

1450年に創建された龍安寺は、石庭および龍安寺の境内全域が「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されています。敷地内の方丈庭園は、エリザベス女王が訪れ称賛したことが契機となり、龍安寺観光のメインの一つになっています。訪れた1月3日も、修学旅行生からシニアまで、多くの方が拝観していました。

石庭(方丈庭園)

「ロック・ガーデン」として世界的にその名が広まった庭園は、境内の中ほどにあります。石庭は幅25メートル、奥行き10メートルの75坪ほどの敷地の縦横比は、最も美しい比とされている黄金比になっています。

石庭(方丈庭園)

石を島に見立て、白砂に線を描くことで水の流れを表現する龍安寺の枯山水の石庭には15個の石が配置されていますが、どの位置から眺めてみても、必ず1つは石が隠れて見えないように設置されています。15という数字は、東洋では完全を表す数字ですが、「必ず1つの石は隠れて見えないように作られている」ということは14しか見えないという意味で、「不完全」というメッセージが込められているそうです。「自分自身を見つめて、足りないものを見つめ直し、今ある自分自身に感謝する心を持ちなさい」という思いが込められています。

龍安寺の方丈(方丈は住職の住まいを指す言葉)は本堂を兼ねています。方丈を訪れる多くの人は縁側に腰を掛けて石庭を眺めますが、この部屋は立ち見で庭を眺めるために造られたそうです。

侘助椿

石庭の鑑賞を終えて鏡容池へ移動中すると、日本最古の侘助椿が育てられている庭園がありました。侘助椿は、茶花として昔から最もよく知られ、とても人気があります。

鏡容池

南側に広がる回遊式庭園は、平安期の庭園の名残を留める鏡容池がありました。

境内

龍安寺の石庭は、禅の美を極めた空間とされ、訪れた人々の心を奪いますね。方丈の室内から立ち見で観た時、全ての石が見える場所があるそうなので、次回チャレンジしてみたいと思います。

それでは、また。