深大寺 元三大師堂は、東京都調布市深大寺元町にある寺院です。
元三大師堂は、慈恵大師(元三大師)の像を安置するお堂です。江戸時代には本堂の西南に東向きで建てられていましたが、幕末の火災で焼失し、1867年に現在の位置に再建されました。本堂よりも先に復興されたことから、その信仰の厚さがうかがえます。現在の建物は、正面三間、側面四間、縁が周囲を囲む造りとなっています。

本堂前の広場から、閼伽堂(手水舎)の横を抜けると、木造のスロープが設けられています。そのスロープを登っていくと、ほどなくして元三大師堂が見えてきます。崖地を削って造成された敷地に建っているため、わずかに高い位置からの風景を楽しむことができます。参道の静かな雰囲気も印象的です。

元三大師堂の向拝は比較的奥行きがあり、雨の日でも足を止めてゆっくり参拝することができます。屋根の庇がしっかりしており、天候に左右されず落ち着いてお参りができる造りになっています。建物の正面は、江戸時代のものをそのまま用いており、静かな佇まいの中にも歴史の重みが感じられます。

拝殿前に立つと、「白鳳院」建立のお知らせを記した立て札が目に入ります。新たな整備や建築が進められていることがわかり、時代とともに境内が変化している様子がうかがえます。昔からの信仰の形を守りつつ、新しい取り組みも同時に進行している様子に、静かな活気が感じられます。

元三大師堂は、信仰と復興の歴史が重なった場所として静かに佇んでいます。江戸時代の建築様式を部分的に残しながら、昭和後期から平成初期にかけての改修によって、機能性と広さが加えられました。目立つ場所にあるわけではありませんが、木のぬくもりと石段の静けさが印象に残ります。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。