静寂と祈りの空間 深大寺 釈迦堂

深大寺 釈迦堂は、東京都調布市深大寺元町にある寺院です。

深大寺 釈迦堂 (2024/12/07)

深大寺の境内にある釈迦堂は、1976年に新築された建物です。鉄筋コンクリート造りで、高床式という構造を採用しており、湿気の多い土地柄を考慮した設計になっています。堂の屋根は方形造りで銅板葺き、頂部には露盤と宝珠がすえられ、落ち着いた印象を与えます。山門を入って左手奥に位置し、静かな雰囲気の中に佇んでいます。

深大寺 釈迦堂 (2024/12/07)

釈迦堂には、国の旧国宝に指定された白鳳仏が安置されています。正面の鉄の扉を開けると、ガラス越しに拝むことができます。外からの光が内部に反射しないように、正面にはアルミ製の格子が立てられており、梵字が意匠として施されています。堂の正面を引き締める役割も果たしており、落ち着いた美しさが感じられます。

深大寺 釈迦堂 (2024/01/01)

2024年1月1日には、年初の参詣者に向けた案内板が本堂前にて掲示されていました。混雑する時期でも、整理された動線が整っており、ゆったりと参拝をすることができます。

深大寺 釈迦堂 (2024/01/01)

釈迦堂は地面より一段高い場所に建てられています。境内の中心から少し外れた場所にあるため、直接正面から入るよりも、乾門や元三大師堂の脇道を使って回り込む形になります。このアプローチは静かで、建物が見えてくるまでの道のりも趣があります。

深大寺 釈迦堂 (2024/12/07)

釈迦堂は高床式で建てられており、参道からは橋のように造られた通路でつながれています。その通路の先には、白鳳仏を拝もうとする列ができていました。列は一見長く見えましたが、進みは非常にスムーズで、滞りなく前へと進むことができます。

深大寺 釈迦堂 (2024/01/01)

釈迦堂の前には、赤いだるまと並んで「賓頭盧尊者(おびんずるさま)」の像が置かれています。やや控えめな大きさですが、その存在感は堂前の空気をやわらかくしており、参拝する人の目を引いています。堂前に立つと、この像の周囲に自然と人が集まってきます。

深大寺 釈迦堂 (2024/01/01)

おびんずるさまは「なでぼとけ」として知られ、自分の体の悪い部分と同じ箇所を撫でることで、病気平癒を願うという風習があります。多くの参詣者が立ち止まり、優しく像を撫でていました。頭や肩、膝など、さまざまな部分が撫でられています。

深大寺 釈迦堂 (2024/01/01)

長年撫でられ続けているため、おびんずるさまの顔や頭の表面は滑らかに光っています。とくに顔は、よく撫でられる場所であることがわかり、光沢が他の部分と明らかに違っています。手入れも丁寧にされているようで、清潔感があります。

深大寺 釈迦堂 (2024/12/07)

おびんずるさまの像は、長年にわたり多くの手によって撫でられてきました。とくに頭部や膝は撫でられることが多く、表面が黒ずみ、つやを帯びています。その色の変化は、参拝者が願いを込めて触れてきた積み重ねの証といえます。

深大寺 釈迦堂 (2024/01/01)

釈迦堂の内部は撮影禁止となっており、実際に足を運んで拝むことが大切にされています。春日厨子の美しい細工や、堂内に安置されている重文の梵鐘など、見どころは多くありますが、それらを記録ではなく記憶に刻むという体験になります。静けさの中での拝観は印象的です。

深大寺 釈迦堂 (2024/12/07)

白鳳仏を守るために造られた釈迦堂は、建築としても機能美が感じられ、内部の厨子や梵鐘など、見どころに満ちた場所です。周囲の雰囲気や参拝体験とあわせて、静かに仏に向き合える貴重な空間となっています。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。

  • 2024/01/01 初版
  • 2024/12/07 更新

健康と長寿を願う 延命観音窟

延命観音窟は、東京都調布市深大寺元町にある観音菩薩です。

延命観音窟

延命観音窟は、深大寺の近くに位置し、静かな山間の一角にひっそりと存在しています。この場所は、古くから延命や長寿を願う人々に信仰されてきました。観音像が安置されて、洞窟内の自然の岩を利用して祀られたその姿は、非常に神聖で荘厳です。

延命観音窟

伝説によると、この観音菩薩像は、江戸時代に作られたもので、長寿を願う地域の人々が、日々祈りを捧げるために訪れたと言われています。ここに来ることで、心身の健康が守られ、長生きできるとされ、特に地元の方々からは今も大切にされています。

延命観音窟

延命観音窟は、1966年、秋田県象潟港工事の際、海底の大石を引き上げたところ、慈覚大師自刻の延命観音が刻まれてあり、縁あって深大寺に奉安されました。

延命観音窟

延命観音窟は、「延命」「健康祈願」「長寿」を願いながら参拝する人々に、心の平安と共に素晴らしいご利益がもたらされると信じられています。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。

静と動が調和 深大寺 福徳尊

深大寺 福徳尊は、東京都調布市深大寺元町にある寺院です。

深大寺 福徳尊

深沙大王堂へと続く参道の途中、目を引く存在が福徳尊です。大黒天と恵比寿尊の大きな石像が並び、参道を歩く足を自然と止めてしまいます。どちらの像も表情が穏やかで、丸みを帯びた姿が印象的です。上を見上げると、背景に見える社殿の彫刻も繊細で、思わず見入ってしまいます。全体に漂う穏やかな雰囲気が心地よく、つい長居してしまいます。

深大寺 福徳尊

深沙大王堂へと続く参道の中ほどに、福徳尊の大きな石像が設置されています。石像は参道の右側に構えていて、道行く人の目を引きます。歴史はそれほど長くはありませんが、その姿は堂々としていて、古くからそこにあったかのような風格を感じさせます。

深大寺 福徳尊

福徳尊には、大黒天と恵比寿尊の石像が仲良く並んでいます。どちらも表情が柔らかく、見るだけで和やかな気持ちになることができます。恵比寿尊は釣竿を持ち、鯛を抱えた姿で、商売繁盛や豊漁の象徴として知られています。大黒天は袋を担ぎ、打ち出の小槌を持つ姿が印象的です。どちらも福を授ける存在として、縁起の良さが感じられます。

深大寺 福徳尊

その右側には、竜と虎の彫刻モニュメントがあります。彫刻は躍動感にあふれ、鋭い眼差しと力強いポーズが迫力を持っています。社殿の軒先には繊細な彫刻も施されていて、細部まで丁寧に造られていることがわかります。彫刻を近くでじっくりと眺めることで、その技術の高さに驚かされます。

深大寺 福徳尊 (2024/01/01)

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。

  • 2024/01/01 初版
  • 2024/12/07 更新