都内最大級の埋蔵文化財施設 東京都埋蔵文化財センター

東京都埋蔵文化財センターは、東京都多摩市落合にある博物館です。

東京都埋蔵文化財センター

東京都埋蔵文化財センターは、多摩丘陵の3万年の歴史を紹介した展示物や工芸品、旧石器時代から近世にかけての多摩丘陵の資料を展示しています。京王多摩センター駅や小田急多摩センター駅から徒歩で5分程度の場所にあり、駐車場も併設しているので、車でのアクセスも便利です。

東京都埋蔵文化財センター

東京都埋蔵文化財センターは、旧石器時代から江戸時代までの多摩ニュータウン遺跡・企画展示・体験コーナーのある展示ホールと、縄文時代の植生を再現した縄文の森・縄文時代の復元住居3棟・住居型模型がある縄文庭園「縄文の村」の2つの区画に分かれています。

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常設展示では、多摩ニュータウンから発見された数々の出土品を、旧石器時代から江戸時代までの通史で学べるよう工夫して展示されています。

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多摩ニュータウンは東西約14キロメートル、南北1~4キロメートルの多摩市、八王子市、町田市、稲城市にまたがる丘陵地です。この多摩ニュータウンには964ヶ所遺跡があ、それらの遺跡からは、旧石器時代から近世まで、各時代の遺構や遺物が発見されています。

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土鈴(どれい)は、粘土を焼成して作られた土製(やきもの)の鈴です。土鈴は、古くから魔除けや厄除け、豊作祈願などの縁起物として用いられてきました。「縄文人も聞いた」とのキャッチーな表現の土鈴が鳴る音を聞くことができる装置が置かれていました。

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ボタンを押して土鈴の鳴る音を再生してみました。実に興味深い音色です。土鈴の内部には、小さな玉が入っているので、カラコロと軽やかな音が鳴り響きます。

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東京都埋蔵文化財センターの体験コーナーでは、「さわってみよう」「使ってみよう」をコンセプトに、縄文時代を中心とした様々な体験ができます。

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縄文土器の多彩な模様を再現するコーナーにある、縄がぐるぐると巻かれた木の棒は、縄文土器の模様付けに使われていた道具「縄文棒」のレプリカです。縄文時代の人々は、様々な方法で土器に模様を付けていました。その中でも、縄文と呼ばれる技法は代表的なものです。

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縄文は、縄を土器の表面に押し当てたり、貼り付けたりして模様を付ける技法です。実際に粘土の上で縄文棒を転がしてみると、縄目模様がくっきりと表面に浮かび上がります。縄文土器作りは、実に奥深い技術です。

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縄文人のアクセサリーには、硬い石や骨、角が使われていましたが、機械や金属のない縄文時代では「揉みぎり」方式の穴あけドリルが利用されていました。このドリルは、糸と軸の回転のタイミングを巧みに操ると、軸が高速に回転するので穴を開けることができます。

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縄文人は麻やカラムシといった植物の繊維を使用して布を作っていたようです。展示ホールの一画には、東京都埋蔵文化財センターオリジナルの縄文服のコーナーがありました。

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縄文服は「縄文逸品」というメーカーによって開発されたテイになっていました。「M」サイズという具体的なサイズ設定や、産地や時代といったユニークな設定、値段が「非売品」となっている点も謎めいていて、とても興味深い展示です。

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一部は試着できるので、縄文人になりきって記念撮影することができます。まるでタイムスリップしたような感覚を味わえそうです。

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山積みにされた縄文土器は、一見ただの土器のかけらのように見えますが、実は縄文時代の生活や文化を知る重要な情報が詰まっています。考古学者の仕事は、その情報を正確に「キャッチ」することです。まるでクレーンキャッチャーのように、慎重かつ丁寧に土器のかけらを一つ一つ拾い上げ、そこから当時の暮らしを解き明かしていきます。その作業には、強い探究心と想像力が必要です。土器のかけらから、当時の様子を具体的にイメージし、そこに込められた人々の思いや願いを読み解いていきます。八王子市で発掘された縄文土器は、単なる土器のかけらではありません。それは、過去と未来をつなぐ貴重なタイムカプセルです。考古学者はは、そのタイムカプセルを丁寧に解き開き、縄文時代の謎を解き明かしていきます。考古学者の情熱と努力に思いを馳せ、縄文時代への理解を深めていきたいですね。

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特別展示では、「多摩新街遺跡切抜帖」の展示が行われていました。東京のベッドタウンとして開発された多摩ニュータウンでは、数多くの遺跡が見つかり、その発掘調査成果は時に新聞紙面を飾って私たちを驚かせました。

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特別展示では、新聞記事で当時の驚きを追体験しながら、再びその価値に触れることができます。

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展示ホールの奥には、都心部の遺跡に関する展示室があります。この展示室では、尾張藩上屋敷の暮らしや江戸陶磁器の移り変わりなどのテーマで、現代から過去に向かって都心部の遺跡から出土した遺物や資料を展示しています。

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特に、縄文時代の土器は、間近で見ることができます。縄文土器は、縄文時代の人々の生活や文化を知る上で非常に重要な資料です。その精巧な技法やデザインをより深く理解することができます。

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展示ホールでは、「オリジナルブックカバー」が配布されていました。縄文土器をイメージするデザインで、縄文土器の魅力を身近に感じられるアイテムです。

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縄文スタンプコーナーでは、土器や土偶、縄文時代の住居のスタンプを押すことができます。スタンプを押すことで、縄文時代の人々の生活を想像し、歴史への理解を深める貴重な機会となるだけでなく、縄文時代への思い出を形に残すことができます。

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機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。