地元に根づく静かな神域 青根原神社

青根原神社(あおねはらじんじゃ)は、千葉県南房総市白浜町白浜にある神社です。

青根原神社

青根原神社は、誉田別命(ほんだわけのみこと)、大物主神(おおものぬしのかみ)、建御名方神(たけみなかたのかみ)を祭神とする神社です。青木の八幡神社、根本の金毘羅神社、原田の諏訪神社を一つに合祀したことから「青根原神社」と呼ばれるようになった経緯があります。例祭は7月に行われ、地域の暮らしと深く関わりを持っています。

青根原神社

入口に立つのは、石造の神明鳥居です。鳥居の表面には年月を感じさせる苔が広がっていて、まるで自然が刻んだ模様のようです。雨の後などは特にその緑が映え、石の質感と相まって印象深い雰囲気をつくり出しています。この鳥居をくぐることで、静かな境内への入り口に立った実感を得ることができます。

青根原神社

鳥居を抜けると右手に手水舎があり、参拝前の身を清めることができます。そこから石段を上がると第二の鳥居が見えてきます。その奥には木造の拝殿が静かに佇み、境内の中心としての風格を感じさせます。全体的に整えられすぎていない雰囲気があり、素朴な安心感に包まれながら参拝することができます。

青根原神社

訪れた日はちょうど何かの行事が控えていたようで、拝殿の中では地元の方々が準備に追われていました。神社はただの建物ではなく、今も行事や祭礼の場として地域に根差して機能している様子が見られます。住民の方が忙しそうにしながらも、手を止めて挨拶をしてくれたのが印象的でした。

青根原神社

青根原神社へと続く道の手前には、里見氏の二代目である成義公の墓所がひっそりと佇んでいます。石碑や供養塔が苔むしながらも整えられており、歴史的な重みを感じさせます。神社を訪れることで、単なる信仰だけではなく地域の歴史にも自然と触れることができます。

青根原神社

三社を合祀して誕生した青根原神社は、地元の人々によって支えられ続けていることが伝わってきます。拝殿や鳥居の佇まい、周囲の苔や石段の質感なども相まって、自然と歴史の調和が感じられる場所です。静かな時間の中で、その空気に包まれて過ごすことができます。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。

磐座信仰の息吹 三峯神社

三峯神社は、千葉県南房総市白浜町白浜にある神社です。

三峯神社

三峯神社は千葉県南房総市白浜町に位置し、野島崎灯台の近くにあります。白浜の厳島神社の入り口奥という、少し奥まった場所に建てられていました。創建年代や由緒は明らかになっていませんが、社名から見ても、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)をお祀りしていると考えられます。社殿の構造や配置から、古代の風習を色濃く残す神社であることがうかがえます。

三峯神社

境内には、鮮やかな朱色の神明鳥居が立っていました。神明造の形式で、シンプルながら力強い印象を与える造りです。白浜の強い陽光を受けて、その朱色がまぶしく輝きます。背後に広がる海や空の青との対比も美しく、思わず足を止めて見入ってしまいます。自然の中にしっかりと存在感を放つ鳥居は、神域の入口としての役割をしっかりと果たしていました。

三峯神社

この三峯神社では、御神体がご神石となっていました。岩そのものに神が宿るという信仰は、古代から続く自然崇拝の一形態です。ご神石は非常に大きく、周囲に張り巡らされた石垣との一体感もあり、神聖さが際立っていました。神社建築の中に納まるのではなく、石そのものが主役であるという佇まいが、信仰の原初的な形を今に伝えているようでした。

三峯神社

社殿は岩に囲まれるように配置されていて、ご神石の一部として溶け込んでいます。南房総は風が強い地域ですが、社殿は岩の陰に設けられており、風を受けにくい工夫が見られます。岩に寄り添うように建てられた祠は、自然と調和しながらもその存在をしっかりと伝えてきます。人工物と自然物の境目が曖昧である点に、この神社ならではの魅力がありました。

三峯神社

三峯神社は、南房総の自然と調和しながら、古代信仰の名残を今に伝えていました。由緒を語る文献こそ残っていませんが、その佇まいからは、多くの時代を超えて受け継がれてきた祈りのかたちを感じることができます。静かな海辺の一角で、石と太陽と風に囲まれた神域でした。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。

凛とした佇まい 安房神社 拝殿

安房神社 拝殿は、千葉県館山市大神宮にある社殿です。

安房神社 拝殿

安房神社 拝殿は1977年に建立された建物で、鉄筋コンクリート造りとなっています。建築様式は、神明造りという日本古来の形式を採用しており、直線的で潔い意匠が特徴です。木造ではなく、堅牢なコンクリート製であることから、耐震性や耐久性にも優れている点が印象的です。

安房神社 拝殿

参道を抜け、広い境内の先には、石段があります。この石段を登った先に、安房神社の拝殿が静かに建っています。山の緑に囲まれながら、正面に見えるその姿は、どこか厳かな雰囲気を感じさせてくれます。拝殿は奥まった位置にあるため、歩を進めるごとに神域に入っていく実感を得ることができます。自然と心が整っていくような感覚を味わえます。

安房神社 拝殿

拝殿の外観は、派手な装飾が一切なく、非常にシンプルです。装飾的な彫刻や華美な彩色はなく、素朴で端正な雰囲気を大切にしています。神明造りならではの構造美が際立ち、無駄を省いた清々しさを感じることができます。過剰な演出がない分、建物本来の佇まいと向き合うことができます。静けさの中にある強さが、印象に残ります。

安房神社 拝殿

1977年に建てられたこの拝殿は、鉄筋コンクリートで造られています。神社建築では木造が主流ですが、こちらではコンクリートという近代的な素材を使いながらも、神明造りの伝統を忠実に再現しています。屋根の直線的なフォルムや柱の配置など、伝統を壊すことなく、現代的な耐久性を取り入れている点が注目されます。時代に合わせた工夫が見て取れます。

安房神社 本殿

拝殿の背後には、本殿が静かに控えています。本殿は1881年の建立で、こちらも神明造りの建築様式が採用されています。屋根は檜皮葺きで仕上げられ、歴史を感じる風格ある佇まいとなっています。御祭神は天太玉命(あめのふとだまのみこと)を中心とした忌部(いんべ)の神々で、古代の祭祀に深く関わる神々をお祀りしています。拝殿越しに本殿を仰ぎ見ることができます。

安房神社 拝殿

安房神社の拝殿は、近代的な素材を使いながらも、古式ゆかしい神明造りを丁寧に再現した建物です。余分な装飾を避けた簡素な佇まいが、神聖な空気をより一層際立たせています。本殿とのバランスもよく、参拝の流れにおいても自然と心を向けることができます。伝統と現代技術が融合した神社建築の一例として、静かに存在感を放っています。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。