南アルプス市 ふるさと文化伝承館は、山梨県南アルプス市野牛島にある博物館です。

南アルプス市の「ふるさと文化伝承館」は、市内の遺跡から出土した土器や石器、懐かしい民具などを展示する博物館です。説明員から、展示物の背景や歴史について知ることもできます。さまざまな体験メニューも提供されており、幅広い年齢層の方々が楽しむことのできる施設です。

伝承館のエントランスは開放的で、入場料が無料です。特に目を引くのは、看板に描かれた土偶の絵です。手描き風のタッチが特徴で、歴史を扱う施設ながらも親しみやすい雰囲気を演出しています。初めて訪れる人でも気軽に足を踏み入れやすい空間になっています。

館内は広々としており、博物館ならではの落ち着いた雰囲気があります。展示室内は静かな環境が保たれており、展示物をじっくりと観察できます。各展示コーナーも十分にスペースが確保されており、快適に見学ができるよう配慮されています。このような環境が、歴史や文化への深い理解を促してくれます。

伝承館には、オリジナルの土産物が多数取り揃えられています。ここでしか手に入らないグッズが豊富にあり、訪れた記念にぴったりです。土器や土偶をモチーフにしたアイテムは特に人気があり、購入することで南アルプス市の歴史に触れることができます。オリジナルグッズは、訪れる人々にとって貴重な思い出となるでしょう。
伝承館の1階では、市内の遺跡から発掘された土器や石器の展示と、南アルプス市の歴史や地形をテーマにした常設展と企画展が設けられています。弥生時代以降の歴史を中心に、地域の開拓の歩みを学ぶことができます。特に、自然の恩恵と脅威の中で人々がどのように工夫しながら暮らしてきたかが詳しく紹介されています。

史跡御勅使川旧堤防に関する説明パネルが展示されています。訪れた日は、説明員の方が堤防の歴史や重要性が詳しく丁寧に解説してくれました。堤防が持つ歴史的な価値を深く理解でき、地域の遺産を守る大切さを実感することができます。

御勅使川旧堤防は国指定史跡として保護されています。桝形堤防の構造や役割についても説明があり、地域の防災や水利における重要性を学べます。この堤防は、古代の技術や知恵が詰まった建造物であり、堤防の詳細な構造を知ることで、当時の人々の生活を垣間見ることができます。

ジオラマの展示では、弓のような形状をした独特な作りの桝形堤防が展示されています。ジオラマは、視覚的に歴史を学べる貴重な展示物です。枡形堤防は史跡として現存し、よりリアルに過去から現在まで出来事をイメージすることができます。

展示室の奥には、遺跡から出土したさまざまな大きさや形をした土器や石器の展示があります。これらの出土品は、弥生時代から中世にかけての当時の生活や文化を知る貴重な手がかりとなります。

伝承館は2階建ての構造になっています。1階で地域の歴史や地形について学んだ後、階段を上がり2階へと進みます。上層階には、さらに深く歴史を知ることができる展示が用意されています。また違った視点から南アルプス市の文化や暮らしに触れることができます。
2階には、縄文時代以前の資料を集めた展示スペースがあります。国指定重要文化財や貴重な遺物が一堂に会しています。鋳物師屋遺跡出土品の全205点、北原C遺跡の水煙把手式土器、県内で唯一出土している百々・上八田遺跡のタイの椎骨など、市内から発掘された縄文時代の優れた資料が展示されています。

南アルプス市の歴史は、約25,000年前の旧石器時代にまで遡ります。山裾の根方地域を中心に旧石器が発見されており、その後の縄文時代も同じ地域で栄えました。当時、御勅使川は現在よりも南に流れており、人々は川の影響を避けるために根方地域や対岸の上八田・徳永地区で生活を営んでいたと考えられています。

鋳物師屋遺跡の出土品が展示室にずらりと並んでいます。この遺跡は、発掘調査によって4500年の眠りから目覚めた貴重な遺跡です。展示されている土器や石器は、当時の人々の生活を知る手がかりとなります。精巧な作りのものも多く、縄文時代の技術の高さを実感することができます。

展示室の壁には、発掘されたさまざまな出土品が飾られています。土器の破片や石器、装飾品など、それぞれに異なる歴史を持つ品々が並んでいます。壁一面に広がる展示は、見ているだけで当時の暮らしを想像させ、縄文時代の文化を身近に感じることができます。

展示されている出土品は、どれも個性的です。土器の形や模様、石器の加工方法など、一つひとつに特徴があり、当時の人々の工夫が詰まっています。特に水煙把手式土器の複雑なデザインや、海産魚の骨の発見など、意外な発掘品にも注目したいところです。

展示室の一角には、「子宝の女神 ラヴィ」と呼ばれる出土品が飾られています。これは女性をかたどった土偶で、豊穣や子宝を願うシンボルとされています。そして、その「ラヴィ」をモチーフにしたマスコットキャラクターも館内に置かれていました。歴史をより親しみやすく伝える役割を果たしています。

「ふるさと文化伝承館」は、歴史と文化を感じることができる施設です。リニューアルも行われ、土器や土偶をはじめとする展示物や、各種体験メニューなどが魅力です。これからもさらに充実した展示や体験が楽しめる施設を目指して、進化していきます。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。