狭山の自然と歴史をじっくり学べる博物館 狭山市立博物館 前半

狭山市立博物館は、埼玉県狭山市稲荷山にある博物館です。

狭山市立博物館

狭山市立博物館は、狭山市制施行35周年を記念して1991年に開館しました。「入間川と入間路-その自然と風土-」をテーマに、狭山の歴史や文化を紹介する社会教育施設です。原始時代から現代までの歩みを、実物資料や復元模型、映像などを使って展示しています。狭山の自然と人々の暮らしを知ることができる場所として、多くの人々に親しまれています。

狭山市立博物館

博物館の建物は、モダンなデザインが特徴的で、周囲の緑と調和しながらも、現代的な建築の美しさを感じさせるデザインです。館内も広々としており、ゆったりと展示を楽しむことができます。入口に立つだけで、期待感が高まります。

狭山市立博物館

エントランスホールには、大きなゾウの模型が展示されています。これは狭山市で発見されたアケボノゾウの復元像です。アケボノゾウはゾウとしては小型ですが、実物大の模型は迫力があります。毛が生えていない点が特徴で、古代の狭山に生息していた様子を想像することができます。

狭山市立博物館

エントランスを進むと、メタセコイアの樹幹化石が展示されています。メタセコイアはかつて日本にも自生していた落葉針葉樹で、現在は中国に分布しています。この化石は、古代の狭山の自然環境を知る手がかりとなる貴重な資料です。樹木の成長や気候の変遷を感じ取ることができます。

狭山市立博物館

バラモミは、関東平野では珍しいマツ科の常緑高木です。かつて堀兼神社にそびえていたこの巨木は、高さ27メートル、幹周3.6メートルと堂々たる姿でした。しかし、1985年に立ち枯れが進み、1992年の猛暑で完全に枯死しました。そのため、貴重な木の断面を保存する形で博物館内に展示されています。

狭山市立博物館

館内には、落ち着いた雰囲気のカフェが併設されています。展示を見学した後に、ゆっくりとくつろぐことができます。大きな窓から外の景色を眺めながら、コーヒーや軽食を楽しめるのも魅力です。博物館巡りの合間に、ひと息つくにはぴったりの空間となっています。

狭山市立博物館

常設展では、「入間川と入間路-その自然と風土-」をテーマに、狭山の歴史や文化が紹介されています。旧石器時代から現代までの狭山の変遷を、さまざまな資料を通じて学ぶことができます。館内ではガイドツアーも行われており、より深く狭山の歴史を知ることができます。

狭山市立博物館

館内をさらに進むと、「舞い舞いホール」があります。このホールは、狭山市内に残る古代井戸「七曲井」や「堀兼之井」をイメージして設計されました。

狭山市立博物館

特徴的なのは、外周がスロープになっている点です。上り坂を360度回ると、ホールの上部へと到達する構造になっています。ゆるやかな傾斜を歩きながら、展示を楽しむことができます

狭山市立博物館

「舞い舞いホール」企画展やイベントが開催されるスペースとして活用されており、訪れるたびに異なる展示や催しを楽しむことができます。

狭山市立博物館

博物館の2階には、茶室が設けられています。ここでは、「茶道体験事業」などのイベントが開催されており、日本文化の奥深さを学ぶことができます。静かな空間で、お茶の作法や歴史に触れながら、特別な時間を過ごすことができます。和の趣を感じられる貴重な施設です。

狭山市立博物館

博物館の中心となる常設展示室には、狭山の歴史を物語るさまざまな資料が並んでいます。旧石器時代の遺物や縄文時代の住居跡の復元、近世の狭山の様子など、幅広い時代の展示が見られます。実際に歩きながら、時代の流れを感じ取ることができます。

今から行ってみたいと思います。

それでは、また。

自然と学びの拠点 寺家ふるさと村 四季の家

寺家ふるさと村 四季の家は、神奈川県横浜市青葉区寺家町にある観光案内所です。

寺家ふるさと村 四季の家

寺家ふるさと村 四季の家は、自然や農業、農村文化に関する展示を行うの総合案内所です。館内では、天然記念物のミヤコタナゴの飼育展示も見ることができます。研修室や農産加工室があり、工作教室やみそ造り、そば打ちなどの体験イベントも開催されています。寺家ふるさと村の散策やイベントの情報も提供されており、ふるさと村全体の中心的な施設となっています。

寺家ふるさと村 四季の家

建物は、伝統的な日本家屋の趣を感じさせるデザインになっています。木の温もりが感じられる外観で、周囲の自然と調和した落ち着いた雰囲気があります。広い軒先や木造の柱が特徴的で、田園風景の中にしっくりと馴染んでいます。まるで古き良き時代の農家を思わせるような佇まいで、どこか懐かしさを感じることができます。

寺家ふるさと村 四季の家

館内は、まるで小さな博物館のような展示空間になっています。自然や農業に関する資料が丁寧に紹介されており、地域の歴史や文化に触れることができます。パネル展示のほか、実物の標本やジオラマも設置されており、視覚的にも分かりやすく工夫されています。ゆったりとした雰囲気の中で、じっくりと学ぶことができる空間になっています。

寺家ふるさと村 四季の家

館内には、クヌギやヒノキ、スギなどの木々の実や葉の標本が展示されています。それぞれの特徴や生態についての説明があり、身近な自然について学ぶことができます。実物を手に取って観察できる展示もあり、子どもから大人まで楽しむことができます。四季折々に変化する植物の魅力を感じながら、自然とのつながりを改めて考えることができます。

寺家ふるさと村 四季の家

四季の家の周囲には、広がる田んぼや緑豊かな山々があり、のどかな風景が広がっています。昔ながらの農村の景色が残っており、四季ごとに異なる風景を楽しむことができます。春にはスミレやレンゲが咲き、秋には黄金色の稲穂が風に揺れる様子を見ることができます。都会の喧騒を忘れさせてくれるような、穏やかな時間が流れる場所です。

寺家ふるさと村 四季の家

館内には、寺家ふるさと村周辺の地形を再現したジオラマの展示があります。田畑や山々、川の流れが細かく作り込まれており、まるで鳥になって村を見下ろしているかのような気分になります。地形の特徴が一目で分かるため、実際に散策する前に全体像を把握するのにも役立ちます。細部までこだわった作りが印象的な展示になっています。

寺家ふるさと村 四季の家

館内では、地域のアーティストによる水彩画展が開催されることがあります。寺家ふるさと村の風景を描いた作品が多く、どの絵からも自然の美しさや温もりが伝わってきます。静かな空間で絵画を楽しむことができ、訪れた人々の心を和ませてくれます。地域の人々が集い、交流する場としても機能しており、文化的な魅力が感じられる展示です。

寺家ふるさと村 四季の家

四季の家にはレストランが併設されており、食事を楽しむことができます。地元の食材を使った料理が提供されており、自然の恵みを味わうことができます。散策の合間に立ち寄り、のんびりと食事を楽しむのにぴったりの場所です。木の温もりを感じる落ち着いた空間で、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

寺家ふるさと村 四季の家

四季の家は、寺家ふるさと村の魅力を伝える拠点となる施設です。日本家屋風の落ち着いた建物の中で、農村文化や自然について学ぶことができます。ジオラマや標本、パネル展示などが充実しており、知識を深めることができる場となっています。レストランも併設されており、食事を楽しむこともできます。自然の中でゆったりと過ごしたい時に訪れたい場所です。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。

富士山とかぐや姫の新たな発見 富士山かぐや姫ミュージアム (前編)

富士山かぐや姫ミュージアムは、静岡県富士市伝法にあるミュージアムです。

富士山かぐや姫ミュージアム

富士山かぐや姫ミュージアムは、富士山信仰や地域の歴史・文化を伝える施設です。特に「かぐや姫が富士山に帰った」という伝承に焦点を当てています。本館では「富士山とかぐや姫」をテーマにした展示のほか、地域の歴史を紹介する「富士に生きる」「富士山の玉手箱」などの常設展示があります。

富士山かぐや姫ミュージアム

館内に入ると、ミュージアムのマスコットキャラクター「ふじかぐちゃん」が迎えてくれます。受付付近にはワークショップの展示物があり、過去のイベントで制作された作品も並んでいます。館内マップや展示内容の紹介パネルもあるので、見どころを事前にチェックすることができます。

富士山かぐや姫ミュージアム エントランス

展示を進んでいくと、竹取物語を題材にした美しい映像が目に入ります。かぐや姫の誕生から月へ帰るまでの物語が映し出され、幻想的な雰囲気を感じられます。

富士山かぐや姫ミュージアム エントランス

映像は動きがあり、竹取物語の流れを視覚的に再確認できます。ナレーションもついているため、物語の概要を改めて知ることができます。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

展示室は6つあり、第1展示室のテーマは「富士に生きる」です。この地域に暮らしてきた人々の歴史や生活の様子を紹介するコーナーで、古くからの信仰や産業に関する資料も見ることができます。

富士山かぐや姫ミュージアム

展示は旧石器時代から縄文時代にかけての生活の紹介から始まります。今から16,000年以上前、日本列島はまだユーラシア大陸と地続きでした。氷河期の厳しい寒さの中、大型動物を追い求めて移動する狩猟民たちが富士・愛鷹山南麓へと辿り着きます。彼らは石を打ち欠いて作った石器を手に、狩猟や採集をおこないながら暮らしていました。火山活動の影響を受けつつも、この地で独自の文化を築いていきました。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

富士市の地形は、北側が火山活動によって、南側は水の影響によって形成されました。溶岩流や火山噴出物によって作られた土地に加え、河川が運んだ土砂によって扇状地が広がっています。かつて広がっていた浮島沼や、枝分かれしていた富士川の流れなど、現在とは異なる景観の歴史を学ぶことができます。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

戦国時代には、この地域も争いに巻き込まれました。地元の人々や商人、寺院は生き残るためにさまざまな対応を迫られました。徳川家康と豊臣秀吉の支配が交代し、最終的には江戸時代に入り安定した時代を迎えました。館内には、当時の村の風景を再現したジオラマがあり、水田や長屋の暮らしの様子をリアルに感じることができます。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

江戸時代には、徳川家康によって五街道が整備されました。全国に宿場が設けられ、公用の文書や荷物をリレー方式で運ぶ仕組みが確立されました。吉原宿の変遷を紹介する展示では、当時の宿場町の暮らしや商業の様子がわかります。江戸時代の部屋を再現した展示では、急な階段が印象的でした。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

吉原宿の前身である見付は、鎌倉時代初期には田子の浦港周辺にありました。その後、江戸時代には吉原宿として栄えました。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

展示では、水茶屋(休憩用の茶屋)の様子も再現されており、腰掛ける人の姿が今にも動き出しそうなリアルな造りになっています。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

戦国時代末期から17世紀初頭、日本の耕地面積は約3倍に拡大しました。富士川左岸の岩本山周辺は開発の適地でしたが、暴れ川である富士川の制御が課題でした。こうした新田開発の歴史が展示されています。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

富士川は日本三大急流の一つであり、古くから舟運が行われていました。江戸時代には物流の要衝となり、東海道の交通と密接に関わっていました。ここでは、当時の人々がどのように富士川を渡っていたのかを知ることができます。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

富士川舟運では、甲斐の米が「下げ荷」として運ばれ、瀬戸内産の塩が「上げ荷」として運ばれました。特に甲斐の年貢米の輸送は重要な役割を担っており、荷物をパズルのように船の上に置くことで、その規模や仕組みについて理解することができます。

富士山かぐや姫ミュージアム 富士に生きる

次の展示室があるので、今から行ってみたいと思います。

それでは、また。