岩船地蔵尊は、千葉県いすみ市岩船にあるお堂です。
岩船地蔵尊は、岩船漁港の東側に突き出た海蝕台地の上にあるお堂です。岩船地蔵尊は、海上安全・五穀豊穣・諸願成就の守り本尊として近郷の人々の信仰を集めています。
岩船地蔵尊は、岩船港の南側にあります。周囲は小さな漁村で、専用の駐車場はありませんでした。お堂は建物の影に隠れて見えない位置にありますが、「日本三岩船地蔵尊」の立て看板があります。
岩船地蔵尊の入り口手前には、小さな仏像が置かれています。岩船地蔵尊のご本尊は檜の寄木造り室町時代の作といわれ、像高33センチメートルで、いすみ市指定の文化財となっています。
岩船地蔵尊は、海岸沿いの遊歩道からアクセスできます。岩船地蔵尊は、岩船山東陽寺の境外仏堂で、下野岩船地蔵尊(岩船山高勝寺)、越後岩船地蔵尊とともに、日本三岩船地蔵の一つと称されています。
岩船地蔵尊に置かれた石碑は、文字が消えかけています。海に突き出した岩場の上という過酷な環境に置かれているため、風雨や日光によって文字が風化してしまうのは避けられないことです。
階段を登ると、岩船地蔵尊が大きく見えてきました、朱塗りの美しいお堂で、とても見ごたえがあります。岩船地蔵尊は、「未来に残したい漁業・漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれています。
岩船地蔵尊には伝承があります。武将が東国の衆生済度のため本尊と75座の神々を頂き、航海をしている最中、台風に遭い岩船の釣師海岸に漂着しました。
武将が菩薩に祈ったところ、舟は釣師海岸に漂着し、そのまま岩と化し、一行は無事に上陸することができました、といわれています。
そこで、武将は村民と相談し、岩船地蔵尊を建立したといわれています。
岩船地蔵尊は、関東百八地蔵霊場の78番札所になっています。関東百八地蔵霊場は、江戸時代に成立した巡礼霊場です。江戸を中心とした関東地方に108ヶ所の地蔵菩薩霊場が選定されており、それぞれのお寺には番号が割り振られています。
岩船地蔵尊は、