甲府 時の鐘は、山梨県甲府市丸の内にある鐘です。

甲府駅北口に位置する「時の鐘」は、甲州夢小路のシンボルです。かつて城下町に存在していた鐘楼をルーツとし、2013年に141年ぶりに新たに建てられました。鐘の音は、暮らしのリズムを刻む役目を担ってきました。今では街のランドマークとして、甲府の風景の中にしっかりと根付いています。


昼間の時の鐘は、背景に中央線の電車が行き交い、町のにぎわいとともに存在しています。一方、夜になるとライトアップされ、幻想的な雰囲気をまといます。鐘楼の周辺が光に包まれることで、日中とは異なる趣が広がり、足を止める人も多く見かけます。


鐘の下部には、江戸時代の時刻制度や、かつての鐘撞きの文化について丁寧に説明された案内板があります。当時の生活リズムや鐘の役割を知ることで、目の前の時の鐘が過去と現在をつなぐ存在であることに気づくことができます。歴史に触れるきっかけになります。

鐘楼の正面には小さな木製の扉があります。まるで中に入れそうな佇まいですが、実際には立ち入りはできません。おそらく管理用の設備や構造点検のために設けられたものと思われます。装飾としての雰囲気を損なわない造りになっており、昔ながらの建築を思わせる風格を感じさせます。

鐘の横には、誰でも押せるボタンが設置されています。このボタンを押すことで、20秒間鐘の音を響かせることができます。たとえ近くにいなくても、突然鐘の音が聞こえてくることがあり、誰かが押したことを音で知ることができます。

夜、三日月が出ている日に鐘楼を訪れると、夜空に浮かぶ月と照らされた鐘楼が静かに共鳴するような美しさを見せます。周囲が落ち着く時間帯に訪れることで、より深い印象を受けることができます。特に写真を撮る人にはおすすめのタイミングです。

鐘の音が生活の中にあった時代を思い出させてくれる甲府 時の鐘。今はボタン一つで音を鳴らすことができますが、その響きは昔の暮らしと今の町を静かに結びつけています。

機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。