富士山を学び、体験できる場所 静岡県富士山世界遺産センター (後編)

静岡県富士山世界遺産センターは、静岡県富士宮市宮町にある博物館です。

静岡県富士山世界遺産センター

静岡県富士山世界遺産センターは、富士山の自然や文化を伝える施設です。館内には展示スペースや映像シアター、ショップやカフェなどがあり、訪れる人々が富士山の魅力を深く知ることができます。建物の外には湧水を引き込んだ水盤が設けられ、逆さ富士の姿を楽しめるようになっています。

静岡県富士山世界遺産センター

外観には県産材を使った木格子が施され、伝統的な技法を用いた組み方が特徴です。館内に入ると、その木格子を間近で見ることができます。自然素材を活かしたデザインが、富士山の環境と調和した印象を与えています。

静岡県富士山世界遺産センター

エントランスに入ると、カフェ & ミュージアムショップが目の前に広がります。カフェでは富士山の湧水を使用したコーヒーや、富士山をモチーフにしたソフトクリームなどが楽しめます。ショップでは、ここでしか手に入らないオリジナル商品や富士山関連グッズを購入することができます。

静岡県富士山世界遺産センター

カフェにはテーブル席があり、ゆったりとした時間を過ごすことができます。席からは、富士山本宮浅間大社の一の鳥居を望むことができます。天気や条件が良ければ、鳥居とともに美しい富士山の姿を眺めることができます。水盤に映る逆さ富士もまた、ここならではの景色です。

静岡県富士山世界遺産センター

ミュージアムショップには、さまざまな富士山に関連するグッズが並んでいます。センター限定販売の「富士すがた」もなかや、富士山デザインのポストカード、クリアファイルなど、ここでしか手に入らないアイテムも豊富です。

静岡県富士山世界遺産センター

ショップには、富士山の模様が描かれた小さなパイロンが展示されています。それを頭にかぶったユニークなディスプレイが行われていました。このパイロンは、実際に購入することができます。訪れた記念に、ユーモアのあるお土産として人気です。

静岡県富士山世界遺産センター

静岡県富士山世界遺産センターには、265インチのスクリーンと4K画質のプロジェクターを備えた映像シアターがあります。富士山が見えない日でも美しい映像を楽しめるよう、三つの番組が上映されています。

静岡県富士山世界遺産センター

「天の巻」では四季折々の富士山の映像、「地の巻」では富士山の信仰や芸術との関わり、「宙(そら)の巻」では上空からの富士山の姿を観ることができます。各番組は約8分間で、毎時00分から15分ごとに、順次上映されています。

静岡県富士山世界遺産センター

館内には、眺望の良いエリアに「受け継ぐ山」の展示ゾーンがあります。ここでは、富士山が昔から人々の心に根付いてきたことや、現在も活火山として活動を続けている側面を紹介しています。

静岡県富士山世界遺産センター

「受け継ぐ山」のゾーンでは、富士山が美しい景観を持つ一方で、活火山としての性質があり、また、登山の歴史などについても紹介しています。開放感のある展示空間で、人と富士山の未来について考えるきっかけを提供しています。

静岡県富士山世界遺産センター

専用の3Dグラスをかけて楽しむことができる展示があります。立体的に映し出される富士山の姿を、よりリアルに体感できるのが特徴です。普段は見ることのできない視点から富士山を知ることができます。

静岡県富士山世界遺産センター

館内にはテラスもありますが、天候によっては利用できないこともあります。ここには富士塚が設けられており、富士登山の疑似体験ができるようになっています。富士塚は、実際の富士山を模した小さな山で、江戸時代から信仰の対象として各地に築かれてきました。ここでもその文化を体感できるようになっており、実際に登ることで、富士山登山の雰囲気を味わうことができます。

静岡県富士山世界遺産センター

静岡県富士山世界遺産センターでは、企画展が行われています。訪れた日、企画展では「富士山の合目のハナシ」に関するトリビアが紹介されていました。

静岡県富士山世界遺産センター

「合(ごう)」の由来や、合目の位置の変遷、各登山道によって異なる標高など、知られざる歴史や豆知識を学ぶことができます。特に、江戸時代から続く登山道の変遷についての解説は興味深いものです。

静岡県富士山世界遺産センター

トリビアには、例えば、「合(ごう)」はもともと容積の単位であることや、登山道の起点は0合目から始まることなど、意外と知られていない事実が盛りだくさんです。

静岡県富士山世界遺産センター

富士山の登山ルートに関する歴史資料も展示されています。大正7年の富士登山案内図や、過去の登山道の変遷を示す資料などがあり、富士登山の歴史を感じることができます。

静岡県富士山世界遺産センター

合目の位置は江戸時代、明治時代、現代と3回以上変更されており、登山道ごとに五合目の標高が異なることも紹介されています。歴史や登山に関心がある人には特に興味深い内容です。

静岡県富士山世界遺産センター

企画展では、大正7年の富士登山案内図が展示されていました。白黒の地図に、朱色で塗られた登山道は、当時の登山道や合目の位置が詳細に記されており、現在とは異なるルートや標高の違いがよく分かります。手書きの文字や独特の表記からは、時代の雰囲気が感じられ、まるで昔の登山者になったような気分になります。現代の登山道と比較しながら見ることで、富士登山の歴史の変遷を実感することができます。

静岡県富士山世界遺産センター

世界遺産として登録された富士山の構成遺産の一覧も紹介されており、富士山の文化的価値について学ぶことができます。富士山本宮浅間大社や三保松原、白糸の滝など、富士山と深い関わりを持つ構成資産が詳しく解説されています。それぞれの遺産がどのように富士山の信仰や芸術と結びついているのかを知ることで、単なる自然の山ではなく、歴史や文化が息づく特別な存在であることを改めて実感しました。

静岡県富士山世界遺産センター

静岡県富士山世界遺産センターは、富士山の自然、文化、歴史を多角的に知ることができます。展示や映像、ショップなどを通じて、富士山の魅力を存分に味わうことができる博物館です。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。