大石神社 奇岩群は、山梨県山梨市西にある岩です。
山梨市の大石山には、大山祇命を祀る大石神社があります。境内には、巨大な御影石(花崗岩)が鎮座しており、高さ12メートル・周囲67メートルという規模は県内随一とも言われています。大石山全体に点在する奇岩群は、自然が長い歳月をかけて創り上げた独特な景観を形成しています。

山中には「烏帽子石」「屏風石」「影向石」「産屋石」「浮舟石」「百足石」「指門石」「甲石」などの奇岩があり、それぞれが特異な形をしています。岩の形や由来にちなんで名づけられており、歩くたびに新たな景観と出会うことができます。ひとつひとつが印象深く、名前を知るとさらに興味が深まります。

境内には説明パネルが設置されていました。大石神社の創建年代は不詳ですが、社殿が建てられる以前から「磐座(いわくら)」として崇拝されていたと伝えられています。磐座とは、神が降臨する場所とされる巨石のことで、古代の石信仰が色濃く残る場所です。
奇岩群は大石神社の参道や本殿まわりに広がっており、参拝しながら自然造形の不思議を楽しむことができます。参道の途中には東屋もあり、山梨市の町並みを見下ろすことができます。晴れた日には南側の隙間から富士山の姿も確認することができます。

拝殿の裏側に進むと、目の前に巨大な「甲石」がそびえ立ちます。高さや厚みからは圧倒的な存在感があり、神域としての空気が漂います。その手前に位置する「浮舟石」は平たい形状で、岩肌に触れることもできます。どちらも写真では伝わらない迫力があります。

拝殿の右手から奥に進むと本殿の横に「産屋石」があります。この岩には出産にまつわる伝承があるとされ、家族連れや地元の方が手を合わせる様子も見かけられます。周囲の苔むした地面と木漏れ日が静かな雰囲気を作り出しています。

大石山の奇岩群は、自然と信仰が融合した貴重な空間です。山内を歩くだけでも発見があり、名前を知ることでさらに意味が加わります。地元の子どもたちの遠足先としても親しまれ、春の神事やツツジの季節は特に見応えがあります。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。