南千倉児童遊園は、千葉県南房総市千倉町南朝夷にある公園です。

南千倉児童遊園は、千葉県南房総市の南千倉海岸沿いにある小さな公園です。児童遊園という名は付いているものの遊具はありませんが、地元の子どもたちが気軽に立ち寄れるスペースになっています。目の前には太平洋が広がり、晴れた日には海の青と空の青が一体化するような光景を楽しむことができます。海風が心地よく吹き抜ける場所です。

公園内には、ちょっと腰を下ろせる東屋が一つと、小さな広場、そして簡易的な駐車場が整備されています。ベンチもあり、散歩途中の休憩にも向いています。大型の遊具や売店などはありませんが、そのぶん静けさが保たれ、波音を聞きながら過ごすことができます。何気ない時間を過ごせる、素朴な空間です。

園内からは、塔のような構造物が目に入ります。色はグレー系で、形状はシンプルながら、明らかに意味を持つ建造物という印象を受けます。近づいてみると、その正体がある事件に関する碑であることに気づきます。周囲の雰囲気と調和しつつも、ひっそりと強い存在感を放っているのが特徴です。

碑の名前は「清国船元順遭難救助の碑」といい、1779年に出航した清国の貿易船「元順号」が漂流の末、1780年4月30日にこの地に座礁した事件を伝えています。激しい暴風雨の中、地元漁師たちが身を投じて78人全員を救助し、2ヶ月にわたり手厚く世話をしたことが記されています。説明板もあり、詳しい経緯を学ぶことができます。

公園そのものは静かな佇まいですが、その一角に刻まれた歴史のエピソードは深く、心に残ります。単なる児童遊園ではなく、日中の民間交流の原点ともいえる逸話が語られています。こうした場所に足を運ぶことで、地域の歴史に触れることができます。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。