滝の城跡は、埼玉県所沢市城にある城跡です。
滝の城跡は、豊かな自然の中に佇み、かつての戦国時代の面影を今に伝える城跡です。多郭式の平山城で、台地の縁辺部を利用した、複数の郭(くるわ)からなる平山城です。土塁や堀などが残り、当時の様子を偲ぶことができます。
滝の城は、戦国時代には、多摩西部と北関東の諸城を結ぶ「伝えの城」として重要な役割を担っていたようですが、1590年に落城し、以降は廃城となりました。
現在は、城跡の主要部分が城山神社の境内地となっています。周辺は滝の城址公園として整備され、市民の憩いの場となっています。城山神社は、本丸跡に鎮座し、地域の守り神として崇敬されてきた神社です。
滝の城跡には、本丸の稲荷神社が鎮座しています。本丸の稲荷神社のあるこの場所は、かつて物見櫓がありました。櫓台は、周囲を見渡すために築かれた高台です。
稲荷神社がここに建てられたということは、かつては城全体を見渡せる、非常に重要な場所であったと考えられます。城の守り神である稲荷神を、最も高い場所に祀ることで、城全体をその神威で守ろうとしたのかもしれません。
また、その本丸の稲荷神社の横には祠がありました。稲荷社、天神社などの祠も、物見台跡に建てられています。
滝の城跡は、本郭・二の郭・三の郭の内郭とそれらを囲む外郭で構成されています。本郭があった城山神社の北には、本丸虎口があります。本丸虎口は、本丸への侵入を防ぐために、厳重に守られてきました。
四脚門跡は、1990年の発掘調査で発見された史跡です。地下からは、鉄砲玉や飾り金具などが出土しました。この場所から馬出しまで、空堀の上には引橋が架っていたそうです。
三の丸跡は、城全体の構造を理解する上で重要な要素の一つです。本丸、二の丸と並んで、防御の要で、同時に生活空間としても利用されていたと考えられます。三の丸では、城主と家臣が茶の湯を楽しんだ、ともいわれています。
三の丸跡には、大井戸跡が残されています。この水で茶を点てたという話は、歴史ロマンを掻き立てます。
滝の城跡は、歴史好きはもちろん、自然散策を楽しみたい方にもおすすめのスポットです。かつての戦国時代に思いを馳せながら、静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。