浜松城は、静岡県浜松市中央区元城町にある城です。

浜松城は、徳川家康が元亀元年(1570)に築城した城で、遠州支配の拠点としました。天守は三方ヶ原台地の東南端に位置し、城郭は「梯郭式」の構造を採用。家康が29歳から45歳まで在城し、多くの戦いを経験しました。後に歴代城主の多くが幕府の要職に就いたことから「出世城」と呼ばれるようになり、現在もその歴史を伝える資料が展示されています。

浜松城公園からは、天守門へと続く道が整備され、ゆるやかな石段を登っていきます。春には桜、秋には紅葉が美しく、四季折々の景色が楽しめます。城の周囲には石垣が残り、野面積みの力強い姿を見ることができます。歩いていくと、次第に視界が開け、天守門へと近づいていきます。

天守門は、2014年に復元されました。重厚な木造の門で、黒く塗られた柱と白い壁が美しいコントラストを生み出しています。門の上には櫓が設けられ、かつての城の防御機能が再現されています。門をくぐると、さらに石段が続き、天守閣へと進むことができます。

天守門を通り抜けると、天守曲輪跡があります。天守曲輪跡は浜松城の中心部で、現在は広場になっています。ここからは、天守閣を間近に望むことができ、当時の城の構造を想像することができます。また、三方ヶ原台地の高台に位置しているため、遠くの景色も見渡せます。

天守曲輪跡には、浜松城跡を紹介する説明パネルが設置されています。ここでは、石垣(野面積み)についての詳細な説明があり、浜松城の築城技術やその構造が紹介されています。また、浜松城の歴史に関する説明もあり、特に徳川家康が築いたこの城の役割や、戦国時代の背景が述べられています。
天守門の先には、城のエントランスへと続く石段が続きます。この石段は、往時のままではありませんが、当時の雰囲気を残した造りになっています。登り切ると天守閣の入口があり、ここから浜松城の展示を見ることができます。

浜松城の最終入場は16時30分となっているため、早めの訪問がおすすめです。特に天守閣からの景色を楽しみたい場合は、午後の明るい時間帯が良いでしょう。城内の展示も充実しているため、ゆっくり見学するには時間に余裕をもって訪れたいところです。

天守閣の入り口は黒を基調とし、金色の装飾が施されています。門の縁には黒と金のコントラストが映え、格式の高さを感じさせます。復元された天守ですが、細部のデザインにはこだわりが見られ、歴史的な雰囲気を感じることができます。

天守閣の入口付近には売店があり、浜松城ならではの土産物を購入することができます。歴史にちなんだグッズや、限定商品が揃っており、訪れた記念にぴったりのアイテムが見つかります。

売店では、登城記念の御城印や浜松城限定の手形、出世大成家康公しかみ像のパワーカードなど、ここでしか手に入らないお土産が販売されています。家康ゆかりの品々が揃い、歴史ファンにも嬉しいラインナップとなっています。

売店の近くにはおみくじも用意されています。歴史的な城で引くおみくじは、特別な雰囲気を感じさせます。結果には家康や歴代城主に関連する言葉が記されており、当時の偉人たちの教えを感じることができます。

おみくじを引くと、結果に加えて家康や浜松城にゆかりのある人物の名前が書かれています。自分の運勢を歴史上の人物と照らし合わせるのも面白いポイントです。今回は「吉」でしたが、どんな人物にちなんだ言葉が書かれているかを楽しむことができます。

浜松城の1階には、徳川家康が所用したとされる「歯朶具足(しだぐそく)」の複製が展示されています。現品は重要文化財として久能山東照宮博物館に収蔵されており、ここでは精巧に再現された甲冑を見ることができます。
浜松城の2階では、歴代城主の紹介や、浜松城の変遷を学ぶことができます。譜代大名が歴代城主を務めた背景や、城の改修の歴史などが詳しく解説されており、当時の様子を知ることができます。

館内には、江戸時代後期の浜松城と城下町を再現したジオラマが展示されています。ナレーション付きで当時の町の様子が解説され、歴史的な街並みを立体的に楽しむことができます。

浜松城は、かつて引間城があった場所に築かれました。そのため、城内や城下町からは引間城時代の遺物も多く発見されています。代表的なものに「桔梗紋軒丸瓦」がありますが、これは武田氏の影響を受けたものとされています。また、「無字銭紋軒丸瓦」も見つかっており、当時の瓦造りの特徴を知ることができます。さらに、本丸南側の堀から出土した遺物や、城下町の発掘調査で見つかった陶器や貨幣なども浜松城の歴史を物語っています。

浜松城は、浜松のシンボル的な存在として、多くの人々にその歴史を伝えてきました。徳川家康が17年間在城し、その後の将軍たちに影響を与えた「出世城」としての背景もあり、浜松城は単なる歴史的建造物ではなく、都市の発展とも密接に結びついてきました。現在では、浜松城公園の中心に位置し、市民や観光客にとって憩いの場となっています。春には桜が咲き誇り、季節ごとに美しい風景を楽しむことができます。

浜松城のある浜松城公園には、本丸やその右垣、堀跡が見られます。江戸時代の絵図には、周囲に石垣や堀が巡り、大規模な門や櫓が並ぶ様子が描かれており、その厳かな造りが伺えます。発見された岩量や端の斜面などを基にすると、その規模は南北約130メートル、東西90メートルほどだったと推定されています。これらの遺構は、江戸時代以前に築かれたものであり、紅音崎代を通じて引き継がれていた可能性が高いとされています。

「二の丸」は浜松城本丸の東側に位置し、広さは約4950平方メートルで、城主の居館と藩政の中心でした。主な建物は「表御殿」と「奥御殿」で、「表御殿」には藩の行政機関が置かれ、広間や部屋が効率よく配置されていました。「奥御殿」は城主の居間や部屋が配置され、生活と執務が便利に行えるよう設計されていました。現在、二の丸跡地は浜松市役所や浜松市立旧元城小学校の一部となっています。

浜松城には、築城以前の引間城時代の出土品や、城の歴史を示す遺物が数多く残されています。また、現在の天守閣が復興された過程を知ることができる貴重な資料も保管されています。城の歴史を知ることで、徳川家康の時代から現代に至るまでの浜松城の歩みを深く感じることができます。
さらに上には、展望台があるので、今から行ってみたいと思います。
それでは、また。