三峯神社は、千葉県南房総市白浜町白浜にある神社です。

三峯神社は千葉県南房総市白浜町に位置し、野島崎灯台の近くにあります。白浜の厳島神社の入り口奥という、少し奥まった場所に建てられていました。創建年代や由緒は明らかになっていませんが、社名から見ても、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)をお祀りしていると考えられます。社殿の構造や配置から、古代の風習を色濃く残す神社であることがうかがえます。

境内には、鮮やかな朱色の神明鳥居が立っていました。神明造の形式で、シンプルながら力強い印象を与える造りです。白浜の強い陽光を受けて、その朱色がまぶしく輝きます。背後に広がる海や空の青との対比も美しく、思わず足を止めて見入ってしまいます。自然の中にしっかりと存在感を放つ鳥居は、神域の入口としての役割をしっかりと果たしていました。

この三峯神社では、御神体がご神石となっていました。岩そのものに神が宿るという信仰は、古代から続く自然崇拝の一形態です。ご神石は非常に大きく、周囲に張り巡らされた石垣との一体感もあり、神聖さが際立っていました。神社建築の中に納まるのではなく、石そのものが主役であるという佇まいが、信仰の原初的な形を今に伝えているようでした。

社殿は岩に囲まれるように配置されていて、ご神石の一部として溶け込んでいます。南房総は風が強い地域ですが、社殿は岩の陰に設けられており、風を受けにくい工夫が見られます。岩に寄り添うように建てられた祠は、自然と調和しながらもその存在をしっかりと伝えてきます。人工物と自然物の境目が曖昧である点に、この神社ならではの魅力がありました。

三峯神社は、南房総の自然と調和しながら、古代信仰の名残を今に伝えていました。由緒を語る文献こそ残っていませんが、その佇まいからは、多くの時代を超えて受け継がれてきた祈りのかたちを感じることができます。静かな海辺の一角で、石と太陽と風に囲まれた神域でした。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。