富士山かぐや姫ミュージアムは、静岡県富士市伝法にあるミュージアムです。

富士山かぐや姫ミュージアムは、富士山信仰や地域の歴史・文化を伝える施設です。特に「かぐや姫が富士山に帰った」という伝承に焦点を当てています。本館では「富士山とかぐや姫」をテーマにした展示のほか、地域の歴史を紹介する「富士に生きる」「富士山の玉手箱」などの常設展示があります。

館内に入ると、ミュージアムのマスコットキャラクター「ふじかぐちゃん」が迎えてくれます。受付付近にはワークショップの展示物があり、過去のイベントで制作された作品も並んでいます。館内マップや展示内容の紹介パネルもあるので、見どころを事前にチェックすることができます。

展示を進んでいくと、竹取物語を題材にした美しい映像が目に入ります。かぐや姫の誕生から月へ帰るまでの物語が映し出され、幻想的な雰囲気を感じられます。
映像は動きがあり、竹取物語の流れを視覚的に再確認できます。ナレーションもついているため、物語の概要を改めて知ることができます。

展示室は6つあり、第1展示室のテーマは「富士に生きる」です。この地域に暮らしてきた人々の歴史や生活の様子を紹介するコーナーで、古くからの信仰や産業に関する資料も見ることができます。

展示は旧石器時代から縄文時代にかけての生活の紹介から始まります。今から16,000年以上前、日本列島はまだユーラシア大陸と地続きでした。氷河期の厳しい寒さの中、大型動物を追い求めて移動する狩猟民たちが富士・愛鷹山南麓へと辿り着きます。彼らは石を打ち欠いて作った石器を手に、狩猟や採集をおこないながら暮らしていました。火山活動の影響を受けつつも、この地で独自の文化を築いていきました。

富士市の地形は、北側が火山活動によって、南側は水の影響によって形成されました。溶岩流や火山噴出物によって作られた土地に加え、河川が運んだ土砂によって扇状地が広がっています。かつて広がっていた浮島沼や、枝分かれしていた富士川の流れなど、現在とは異なる景観の歴史を学ぶことができます。

戦国時代には、この地域も争いに巻き込まれました。地元の人々や商人、寺院は生き残るためにさまざまな対応を迫られました。徳川家康と豊臣秀吉の支配が交代し、最終的には江戸時代に入り安定した時代を迎えました。館内には、当時の村の風景を再現したジオラマがあり、水田や長屋の暮らしの様子をリアルに感じることができます。

江戸時代には、徳川家康によって五街道が整備されました。全国に宿場が設けられ、公用の文書や荷物をリレー方式で運ぶ仕組みが確立されました。吉原宿の変遷を紹介する展示では、当時の宿場町の暮らしや商業の様子がわかります。江戸時代の部屋を再現した展示では、急な階段が印象的でした。

吉原宿の前身である見付は、鎌倉時代初期には田子の浦港周辺にありました。その後、江戸時代には吉原宿として栄えました。
展示では、水茶屋(休憩用の茶屋)の様子も再現されており、腰掛ける人の姿が今にも動き出しそうなリアルな造りになっています。

戦国時代末期から17世紀初頭、日本の耕地面積は約3倍に拡大しました。富士川左岸の岩本山周辺は開発の適地でしたが、暴れ川である富士川の制御が課題でした。こうした新田開発の歴史が展示されています。

富士川は日本三大急流の一つであり、古くから舟運が行われていました。江戸時代には物流の要衝となり、東海道の交通と密接に関わっていました。ここでは、当時の人々がどのように富士川を渡っていたのかを知ることができます。

富士川舟運では、甲斐の米が「下げ荷」として運ばれ、瀬戸内産の塩が「上げ荷」として運ばれました。特に甲斐の年貢米の輸送は重要な役割を担っており、荷物をパズルのように船の上に置くことで、その規模や仕組みについて理解することができます。

次の展示室があるので、今から行ってみたいと思います。
それでは、また。