海を見守る石 洲崎神社 御神石

洲崎神社 御神石は、千葉県館山市洲崎にある石です。

洲崎神社 御神石

千葉県館山市にある洲崎神社には、特異な伝承を持つ「御神石」があります。この石は、かつて竜宮から洲崎大明神に奉納されたとされており、その由来からも海との深い関わりが感じられます。御神石は神社の境内とは別に、海岸沿いの広場に安置されています。地元では東京湾の入口を守る神聖な存在として扱われています。

洲崎神社 御神石

洲崎神社の本殿から海の方向へ向かって進むと、視界が一気に開ける広場にたどり着きます。そこには風を遮るものがほとんどなく、潮の香りが肌に触れます。広場の一番奥には、注目すべき御神石が据えられています。

洲崎神社 御神石

御神石の周囲には数本の石柱が立てられ、神聖な場所として区切られています。その正面には、海に向かって立つ白い鳥居があり、波音を背景に凛とした雰囲気を漂わせています。この構図によって、御神石は自然と神の領域にあるものとしての存在感を放っています。

洲崎神社 御神石

白い鳥居の上部には扁額が掲げられており、「洲崎神社御神石」と墨で書かれています。木製の板で作られたこの扁額は、風雨や潮風に晒され続けており、すでに文字はかすれ、木の地肌も褪せ始めています。自然との共存が感じられる一角です。

洲崎神社 御神石

御神石の大きさは約2.5メートルあり、丸みを帯びた細長い形状をしています。地元の岩石とは明らかに異なる材質で、どこからか運ばれてきたことが分かります。口を閉じたような裂け目が特徴で、対となる「阿形」は神奈川県の安房口神社にあると伝えられています。

洲崎神社 御神石

洲崎神社の御神石は、単なる石ではなく、神話的な背景や地理的つながりを通じて、神聖な象徴として信仰されています。海と空と石が織りなす景色は、静けさと不思議な力を感じさせてくれます。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。