和の劇場のような食空間 権八 西麻布

権八 西麻布は、東京都港区西麻布にある居酒屋です。

権八 西麻布

東京都港区西麻布に位置する「権八 西麻布」は、東京メトロ六本木駅・乃木坂駅・広尾駅から徒歩10分の場所にあります。営業時間は深夜3時半までとなっており、会食や接待、宴会からデートまで、幅広いシーンで利用することができます。国産の蕎麦の実を使った手打ち蕎麦、備長炭で焼き上げる串焼き、揚げたての天ぷらなどを中心に、こだわりの和食が楽しめます。

権八 西麻布

建物の外観は、日本の伝統的な建築様式を取り入れていて、一見すると古い蔵や小さな城のように見えます。大きな木造の骨組みと漆喰風の壁、そして瓦屋根の意匠が合わさることで、和の空気感をしっかりと演出しています。この外観が、都心の喧騒から別世界に来たような感覚を与えてくれます。

権八 西麻布

建物に近づくと、窓の軒に瓦がしっかりと載せられていることに気づきます。両開きの木製窓はまるで蔵の開口部のようで、重厚感と格式の高さを感じさせます。こうした細部のデザインが、建物全体の雰囲気をさらに引き立てています。

権八 西麻布

店の前には、広めのスペースが確保されており、そこには赤い和傘とテーブル席が設置されています。晴れた日には外の空気を感じながら食事ができ、雨の日でも傘の下でゆったりと過ごすことができます。屋外でも和の演出が施されており、印象に残る景観となっています。

権八 西麻布

入口の上には、まるで寺院にあるかのような扁額が掲げられており、「権」の文字が力強く刻まれています。この扁額が建物の荘厳さをさらに引き立てていて、来店時の高揚感を演出しています。どこか格式を感じるたたずまいに、特別な時間が始まる予感がします。

権八 西麻布

店外の目立つ場所には、紙のメニューが大きく貼られています。内容は前菜、備長炭焼き、魚料理、肉料理、手打ちそば、さらにコース仕立ての宴会メニューなどがあり、どのシーンでも選びやすい構成となっています。店に入る前に料理内容を確認できるのは安心です。

権八 西麻布

入口はやや小ぶりで、低めに設計されています。その横には酒蔵でよく見かける「杉玉」が吊るされており、日本酒に力を入れていることがうかがえます。外国からのお客様も多いため、店内外の案内には英語の表記がしっかりと付されていて、国際的な配慮が感じられます。

権八 西麻布

もう一つの特徴は、店の入口付近にある英語表記付きのメニュー板です。一品料理の詳細に加えて、寿司の握りのメニューまで確認することができます。蕎麦や串焼き中心の店舗で寿司メニューまで紹介されているのは少し珍しく、幅広い料理が楽しめることがうかがえます。

権八 西麻布

一歩足を踏み入れると、吹き抜けの3階建て構造が広がります。天井からは数多くの提灯が吊るされ、淡い光を放っています。この光と木造の構造が生み出す空間は、都心の六本木にいることを一瞬忘れてしまいそうな幻想的な世界です。静かに光る灯りに包まれながら食事を楽しむことができます。

権八 西麻布

店内の大部分はテーブル席が占めており、それぞれの席から中央に設置されたパーゴラを眺めることができます。そのパーゴラのまわりには提灯が並び、どこか祭りの屋台のような雰囲気があります。この配置により、座る場所を選ばずに店の非日常感を味わうことができます。

権八 西麻布

テーブルの上には、メニューが置かれています。中を開くと、そばを中心に、めし類や甘味まで幅広く掲載されています。それぞれの料理に英語表記が添えられていて、イラストも載っているため、どの料理もイメージしやすく、選びやすい構成となっています。

権八 西麻布

ランチタイムには、定食だけでなくコース料理の提供も行われています。前菜から始まり、焼き物、揚げ物、そば、甘味まで含まれた構成で、品数が多く満足感があります。お昼からしっかりとした和食を楽しみたい場合に、非常にありがたい内容となっています。

権八 西麻布

この日は「権八天丼」を選びました。お吸い物が付いており、しっかりとバランスが取られた構成です。丼の器はやや深めで、サクッと揚がった天ぷらがふんわりとごはんにのっています。甘辛いタレがしっかり染みていて、ごはんが進みます。

権八 西麻布

天丼にのっていたのは、定番の素材です。どのネタもカラッと揚がっていて、衣が軽く、油の重たさは感じません。味付けも濃すぎず、出汁の風味が生きています。奇をてらわない組み合わせだからこそ、丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。

権八 西麻布

続いては「天ぷらせいろそば」をお願いしました。冷たいそばと熱々の天ぷらを別々に楽しむスタイルで、メリハリのある一食です。提供されるまでにそれほど時間もかからず、ランチタイムでも気軽に注文できるメニューとして便利です。

権八 西麻布

そばは、丁寧に挽いた蕎麦粉を使って打たれています。細めの麺ながらコシが強く、つるりとした喉ごしの良さが印象的です。そばつゆは、関東風のしっかりとした味ながら、香り高く後味は軽やかです。そば本来の香りが口の中に広がっていきます。

権八 西麻布

天ぷらは、せいろと別盛りで提供され、見た目にも美しい盛り付けでした。海老のほか、季節の野菜が数種あり、揚げたてならではの食感を楽しめます。衣は薄く、素材の持ち味をしっかりと引き出しており、塩や天つゆで食べることで、それぞれの風味を変化させることができます。

権八 西麻布

食事の途中でトイレへと3階へ上がったところ、思わぬ景色が広がっていました。下の階を見下ろすと、無数の提灯が淡く光り、パーゴラや木の梁が立体的に広がっています。音も空間も穏やかで、静けさと美しさが共存する、不思議な感覚を味わうことができます。

権八 西麻布

3階の踊り場から眺めると、2階と1階のテーブル席やパーゴラの瓦屋根がしっかりと視界に入ってきます。まるで縁日のような空間が広がっており、どの階も一体となったようなデザインに驚かされます。建築と演出が一体になっている店舗構成に、感心してしまいます。

権八 西麻布

3階の壁沿いには、大小さまざまな和太鼓がいくつも並べられていました。装飾ではなく、実際のイベントなどで使用される本物とのことです。天井の高い空間だからこそ、一度鳴らせばその音は店内全体に響き渡りそうです。静と動のコントラストも印象に残ります。

権八 西麻布

3階部分もテーブル席が多く、団体での予約に適した作りとなっています。ある程度の区切りも設けられていて、グループ単位で食事を楽しむことができます。照明やインテリアは全階共通で統一されており、大人数でも雰囲気を壊さず、特別な時間を演出することができます。

権八 西麻布

権八 西麻布は、幻想的な照明と建築構造が調和し、料理と空間が一体となった体験をすることのできる居酒屋です。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。