睡足軒(すいそくけん)の森は、埼玉県新座市野火止にある森です。
睡足軒の森は、国指定天然記念物「平林寺境内林」の一画にある森です。睡足軒の森は、武蔵野の雑木林の面影を残しています。2002年度に、平林寺から新座市へ無償貸与され、伝統文化の発信と青少年の活動の場として活用されています。
睡足軒の森は、平林寺大門通りにあります。門から覗く風景は、まるで絵画のようです。古き良き武蔵野の面影を今に伝える貴重な空間です。睡足軒の森は、秋になると、紅葉が特に美しく、武蔵野の秋の風景を代表するような景色になります。
園内には、睡足軒があります。睡足軒は、もともと飛騨高山周辺に建てられていた江戸後期の民家と推定されています。睡足軒は、昭和を代表する茶人の一人、松永安左エ門が(耳庵)が1938年に当地へ移築したと伝えられています。
松永安左エ門は茶人としても著名で、睡足軒に親しい友人を招き、「田舎家の茶」を楽しんでいました。
睡足軒の構造形式は、木造平屋建、鉄板葺で、東西に2室ずつ囲炉裏の間が配置され、各所に飛騨地方の民家の特色が表れています。
睡足軒の森 睡足軒は、登録有形文化財に指定されています。
睡足軒の森には小径が整備され、散策することができるようになっています。2023年の11月に訪れましたが、工事が行われていました。
そのため、巡路の一部の場所は立ち入り禁止になっています。
睡足軒の森の奥には紅葉亭がありますが、巡路が立ち入り禁止のためこれ以上近づけません。紅葉亭は、主に新座市民のための青少年の体験学習や、日本の伝統文化的な活動の場に利用されています。施設として貸し出しも行っています。
睡足軒の森には、庭園が広がります。秋になり色づく樹林に覆われた園内の中で、池が太陽の光を反射し、明るく見えます。池には灯籠が置かれ、 古の趣を漂わせます。水面の揺らぎと共に灯籠の影が刻々と変化し、訪れる度に異なる表情を見せてくれます。
池には鯉が泳いでいました。鯉が悠々と泳ぐ姿は、静かな庭園に活気をもたらし、生命力を感じさせてくれます。鯉の泳ぐ姿を見ていると、心が穏やかになり、日頃の疲れを癒してくれます。
睡足軒の森は、武蔵野の自然と伝統文化が融合した貴重な空間です。
機会があれば、再度来てみたいですね。
それでは、また。