船車や荷船の展示で理解が深まる 埼玉県立 川の博物館 本館第1展示室 後編

埼玉県立 川の博物館 本館第1展示室は、埼玉県大里郡寄居町小園にある展示室です。

鉄砲堰

鉄砲堰の先には、荒川流区を環境造形した展示物が置かれています。

船車

船車(ふなぐるま)は、その名の通り、船に水車を取り付けた川船の水車のことをいいます。麦作地帯が広かっていた寄居町付近では、川船に水車小屋を乗せた船車で小麦粉を作っていました。

船車の内部

船車を川に浮かべておけば、荒川の水位の増減に影響されることなく動力を得て製粉をすることができます。洪水が起きそうな時は、船車を避難させることもできます。船車は、荒川の特徴をよく知っていた人々の知恵を活かした水車なんですね。

荷船

荷船(にぶね)の展示コーナーでは、実際に乗ったりすることもできます。荷船は物資の輸送に使われていた船で、荒川を下るときは東京まで1日で行けましたが、帰りは上げ潮や海風を利用して5日前後の日数を必要としたそうです。船の中は寝泊まりできるようなっていて、まるでキャンピングカーのようですね。

水塚

荒川周辺は度々洪水に見舞われてきたため、あらかじめ土を盛って避難場所にしていたそうです。その高さのある場所を水塚といい、水塚の上には水防建造物が作られていました。人々の水害時に対する知恵や工夫を知ることができますね。

水塚の展示

水塚の展示の中では、猫とネズミが物語風にお喋する、某ランドのアミューズメントのような解説が行われていました。なんだか見ていて楽しくなりますね。

荒川と人々のくらしとの関わりを知ることのできる埼玉県立 川の博物館 本館第1展示室。

機会があれば、再度来てみたいと思います。

それでは、また。

リアルな防空壕と分類展示室 埼玉ピースミュージアム (埼玉県平和資料館) 後編

埼玉ピースミュージアム (埼玉県平和資料館)は、埼玉県東松山市岩殿にある資料館です。

常設展示室

埼玉ピースミュージアムの常設展示室では、1920~1940年代の昭和初期から終戦までの期間を中心に、埼玉県民が戦争にどのように関わってきたのかを展示しています。

防空壕

擬似体験コーナーは、戦時下の小学生の夏のある1日を、約15分間で擬似体験できるコーナーです。防空壕では、飛行機の爆音、爆弾・焼夷弾の落下音、爆発音・振動、銃掃射の音・光、そして火災を体験できるようになっていました。

防空壕

防空壕の中に入ってみると、そこは狭く暗く、この状況で飛行機の爆音が頭上から聞こえてくると心穏やかでいることが難しいと感じます。

戦争への道

常設展示室の前半は、昭和の開幕から1941年12月の太平洋戦争勃発までを三つのコーナーに分けて展示されています。世界恐慌、1931年の満州事変などを機に軍国主義が強まり、中国と全面戦争に突入していった時代が取り上げられています。

太平洋戦争

常設展示室の後半は、1941年から1945年の太平洋戦争の期間を四つのコーナーに分けて展示されています戦争の激化により、軍国主義的な統制が厳しくなり、苦しくなった県民の生活や戦争との関わりが紹介されています。

分類展示室

分類展示室は、収集した資料の保存を兼ねた特別の収蔵展示室です。約1,200点の資料を用途や目的によって分類していて、資料のある展示ケースは自由に引き出して見ることができます。

分類展示室

戦時下の生活を実際の展示品を見ながら詳しい説明書きを読むことで、とても解りやすく理解でます。リアルな展示品と防空壕は、かなり印象に残りますね。

寄贈資料館

館内は撮影可能ですが、寄贈資料館など、一部禁止のエリアがあります。

撮影許可所

受付時に受け取った撮影許可所を返却しました。

この先には展望塔があるので、行ってみたいと思います。

それでは、また。

昭和を再現した住宅や教室 埼玉ピースミュージアム (埼玉県平和資料館) 前編

埼玉ピースミュージアム (埼玉県平和資料館)は、埼玉県東松山市岩殿にある資料館です。

埼玉ピースミュージアム (埼玉県平和資料館)

埼玉ピースミュージアム (埼玉県平和資料館)は、風化しつつある戦争の体験を次の世代に引き継ぎ、戦争の悲惨さと平和の尊さを伝えることにより、平和に対する意識の高揚を図り、平和な社会の発展に寄与することを目的として1993年に開館した資料館です。

駐車場

埼玉ピースミュージアムは物見山の中腹にあり、隣接する駐車場からは歩いて向かいます。

埼玉ピースミュージアム (埼玉県平和資料館)

階段を登っていくと、白く細く、上からみると半月の形をした建物があります。

埼玉ピースミュージアム (埼玉県平和資料館)

埼玉ピースミュージアムでは、常設展示や企画展示の他にも、戦時中の体験を聞く会などの講演会や映画会など、様々な事業を実施しているそうです。

標語

壁には「平和をかたりつごう、永遠に…」と書かれていました。平和に対する熱い思いが壁に刻まれていますね。

ロビー

エントランスを入ると、緩やかな曲線を描く天井の高いロビーが続いています。受付で話を聞いたところ、一部撮影禁止の場所があるものの、館内を写す程度であれば問題ないとのことでした。

プロローグ (タイムトンネル)

資料館は順路が決まっていて、まず初めにプロローグと呼ばれるタイムトンネルを通ります。

このタイムトンネルはライトの演出がなされていて、来館者を現代から昭和の世界へと誘います。

戦前の住宅

トンネルの先には、昭和初期の民家が再現されていました。当時の生活の様子を知ることができます。ハダカ電球にちゃぶ台、食事が並んでいますがとても質素な部屋です。昔の日本の住宅という感じが伝わりますね。

戦時下の教室

戦時下の教室の展示では、戦時中のある一日を15分間で疑似体験できるようになっていました。授業中に空襲警報が流れ、防空壕に避難すると、音と光と振動により空襲の疑似体験をすることができます。

戦時下の教室

この教室のガラスや教卓は当時のものを使っているそうです。上映されている道徳の授業の再現映像は、戦争に勝ちぬくための人間を育てる授業風景で、戦争中の教育は、純粋な子どもたちを戦争へと駆り立てる大きな役割がありました。現在の教育と比較して考えることが狙いだそうです。

この先にも順路があるので、行ってみたいと思います。

それでは、また。