宇都宮市の中心から見守り続ける神社 宇都宮二荒山神社

宇都宮二荒山神社(ふたあらやまじんじゃ)は、栃木県宇都宮市馬場通りにある神社です。

宇都宮二荒山神社

宇都宮二荒山神社は、宇都宮市のほぼ中央に位置する二荒山にある神社です。荒山はかつて臼ヶ峰(北側)と小寺峰(南側)の二峰を持つ小高い山でしたが、二峰の間には「馬場通り」の道路が開通し、馬場町交番付近にあった小寺峰は次第に削られ今や原形はなくなっています。

石段

現在は標高約135メートルの臼ヶ峰のみが残り、宇都宮二荒山神社は臼ヶ峰の上にあるので、明神山の斜面に造られた95段の石段はかなり急になっています。石段の左手には女坂もあるので、段差が苦手な方はこちらから登ることもできます。

末社

宇都宮二荒山神社には末社が多く置かれています。石段の途中には、手前から剣宮(武徳の神)、十二社(肇国の神)、菅原神社(学問の神)がありました。その他にも境内には10以上の末社があります。

神門

石段を登ると神門が見えてきました。宇都宮二荒山神社の神門は、やや強めの唐破風ですね。二荒山神社は、全く同じ字で書く日光の「ふたらさんじんじゃ」もありますが、宇都宮は同じ漢字でも「ふたあらやまじんじゃ」と読みが異なります。

手水舎

同じ漢字の神社なので同じ系列の神社なのか気になる人が多いらしく、インターネットには調査している方々の情報が多くありました。今では、混同しないように「宇都宮二荒山神社」と「宇都宮」を付けて表記しているそうです。

境内

境内は左右にゆったりと広々としていて、適度な奥行きがあり、スッキリ整然とした印象です。落ち葉やゴミなども全く見当たらず、とても神聖な場所に感じます。

拝殿

現在の拝殿は、焼失後の1877年の再建で、比較的新しい建物です。拝殿は、乱れることなく整い飾られた、しめ縄や神前幕のある、とてもシンプルな佇まいです。

拝殿

拝殿前には、華麗なたてがみが魅力的で印象的な獅子風の狛犬が向かい合って鎮座しています。

神馬像

神馬像は、1189年に神馬が献納された由来に基づき、1980年に奉納されたと書かれていした。馬のお腹には、左三つ巴の紋があり、昔は本物の馬が奉納されていましたが、それが神馬の像や絵馬に変わったという経緯があります。

初辰稲荷神社 (豊穣・商業の神)

宇都宮二荒山神社には末社が多く置かれていますが、赤い鳥居がズラリと並ぶのは、末社のお稲荷さん、初辰稲荷神社で豊穣や商業の神とされています。

本殿

初辰稲荷神社の横からは、拝殿の裏にある本殿を少しだけ見ることができました。

宰鳥(蕪村)句碑

宇都宮二荒山神社には記念碑や歌碑が多く置かれています。社務所の傍にある宰鳥(さいちょう)(蕪村)句碑と説明板はその一つです。

宰鳥(蕪村)句碑

「鶏は羽に はつねをうつの 宮柱」とあり、これは当社宇都宮二荒山神社の社頭で新年の夜明けを迎えた鶏(にわとり)が、勢いよく羽ばたいている姿に寄せて、この地で俳諧師としての第一声をあげた喜びを詠んでいるそうです。「羽をうつ」と「宇都宮」、「宮」と「宮柱」とを掛けた華麗な句であるとも書かれていました。

ポップコーンの自動販売機

境内の一角にポップコーンの自動販売機がありました。ポップなとうもろこしが前面に押し出されていますが、自動販売機の外枠は茶色に塗られ、景観を乱さない配色が使われています。

神門

宇都宮は、宇都宮二荒山神社の門前町として発展してきました。神社から神門を通して市街地を見下ろすと、宇都宮を見守る地域に根ざした神社であることを感じさせます。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。