最晩年の構造で史実に復元 白石城 三階櫓(天守閣)

白石城 三階櫓(天守閣)は、宮城県白石市益岡町にある城です。

白石城 三階櫓(天守閣)

白石城は、標高76メートルの最頂部に本丸や二ノ丸を置き、平地に三ノ丸や外曲輪を配置した平山城です。本丸は高さ9メートル余の石垣の上に土塁を囲み三階櫓や大手門などを備えています。二ノ丸以下は土塁で囲み木柵をまわし、崖を利用して城郭の防御を強化しています。

白石城 三階櫓(天守閣)

1874年に取り壊された白石城 三階櫓(天守閣)は、1995年に復元されました。その後、福島県沖を震源とする地震により、天守閣や大手二ノ門などに被害が生じ、伝統的な工法により復旧工事が行われました。訪れた2023年11月1日は、オープニングセレモニーが開催され、白石城の見学が再開されました。

白石城 三階櫓(天守閣)

三階櫓(天守閣)の最上階からは、益岡公園や白石市街を一望できます。

白石城 三階櫓(天守閣)

白石城は、歴史を永代に伝えるため文化財の保護を重視し、最晩年の構造による三階櫓(天守閣)を史実に復元しているため、天守閣最上階へと続く階段は、とても急で往事の姿が偲ばれて、興奮します。

白石城 三階櫓(天守閣)

三階櫓(天守閣)の3階は、東西5間、南北3間の広さがあり、高さは石垣天端から16.7メートルの位置にあります。戦後の木造復元天守閣では高さ、広さとも日本最大級だそうです。

白石城 三階櫓(天守閣)

三階櫓(天守閣)は普段、城主が住まいとしていたものではなく、武器等の保管場所になっていました。日本古来の建築様式に基づき、数百年の歳月に耐え得る、全国的にも数少ない木造復元は、学術的にも高い評価を得ています。

白石城 三階櫓(天守閣)

2階の階段付近には、踊り場が設けられ、さまざまなイベントが行えるスペースがあります。

白石城 三階櫓(天守閣)

訪れた日は「令和の大修復」旗の展示と、「私が描く白石城」作品の展示が行われていました。三階櫓(天守閣)では、期間限定で、さまざまなイベントが行われるそうです。

白石城 三階櫓(天守閣)

三階櫓(天守閣)の1階は、鎧や地元の工芸品の展示が行われ、歴史的な要素や城の文化を紹介するスペースが設けられています。

白石和紙に包まれた「白石和紙あかり」は、ほのかに溢れるやさしい光が幻想的な雰囲気を演出しています。1.6メートル四方の白石和紙に描かれた片倉小十郎重長公が飾られています。土壁や地元の酒などの名産品も紹介され、地元ゆかりの品々が展示されています。地元の歴史や文化に触れる貴重な機会を楽しむことができます。

白石城 三階櫓(天守閣)

1階内の外壁廻りは武者走りで、戦闘状態になったとき、武具を付け武器を持った武士達が走り回るため板張りになっています。 1階の北側と西側に石落しがあり、石類も保管されていたそうです。

白石城 三階櫓(天守閣)

壁は、当地方の土壁と同じ造りで土塗りを何度も繰り返し、漆喰で仕上げています。壁の厚さは21センチメートルから24センチメートルほどあり、日本古来の耐火構造です。

白石城 三階櫓(天守閣)

白石城 三階櫓(天守閣)の開館時間は、11月から3月までは9時から16時までです。登城を終えて地上に戻ってきた時には、入り口に柵が置かれ閉館となっていました。

白石城

閉館時刻直前に三階櫓(天守閣)を観光したので、他に観光客は誰もおらず、一人で静かに思う存分楽しむことができ、貴重な時間を過ごすことができました。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。