坂東三十三ヶ所の第十番札所 巌殿山正法寺(巌殿観音)

巌殿山正法寺(巌殿観音)は、埼玉県東松山市岩殿にあるお寺です。

巌殿山正法寺(巌殿観音) 正法寺

718年に開山した巌殿山正法寺は岩殿観音(いわどのかんのん)の名で親しまれ、1300年の渡り日々の安寧を祈り続けています。

仁王門

巌殿山正法寺の門前町は、かつてとても賑わった場所だったそうですが、現在はとてもひっそりしています。巌殿観音の参道は弁天沼から仁王門へと一直線に続き、レンガ敷きのなだらかな上り坂になっています。都会の喧騒を忘れ、歴史を感じられる家並みがあり、大変素晴らしい参道です。

仁王像

仁王門には「巌殿山」の扁額が掲げられ、左右には仁王像が安置されていました。当時の仁王像は江戸時代に焼失し、現在の仁王門は19世紀初めに再建されたものだそうです。仁王門にはガラスが張られていて、下の方から写真に撮ると空が反射して映り込みます。

参道

仁王門の先には階段が続きます。急な石段ですが、登り詰めてから見下ろす参道と門前町の景色は、かなりの絶景です。

境内

巌殿山正法寺は、坂東三十三ヶ所の第十番札所です。木造建築の鐘楼や観音堂、そして樹齢700年を超える大銀杏のある境内は、物見山の中腹の岩殿の砂岩層の岩盤をくりぬいた山肌にあり、とても広々でゆったりとした作りになっていますね。

薬師堂

薬師堂は薬師如来を本尊とする仏堂の呼称ですが、薬師如来は手に薬壺を携えた仏さまです。病気を癒やし、苦しみから救います。2022年の今年は新型コロナウイルス感染症の早期収束を願い、正月から特別開帳を行っていました。

観音堂

現在の観音堂は、明治に焼失したため日高のお寺から移築されたものだそうです。静けさに包まれた境内で、岩壁に守られた立派な観音堂では、黄金色に輝く千手観音を拝観することができます。

境内

巌殿山正法寺の歴史は古く、源氏や徳川家康ともゆかりが深いそうです。薬師堂や観音堂をはじめとする建物のほとんどが古く、古刹らしい時代を感じる雰囲気があるお寺ですね。

岩壁

観音堂の裏手にある岩殿山の岩壁には、四国88カ所の観音霊場の石仏が彫られています。崖上の林の中には、坂東33カ所、西国33カ所、秩父34カ所の観音霊場を体現した石仏もあります。これらの石仏にお参りすることで、実際に現地に行かなくても御利益があるといわれています。

ブランコ

参道の石段沿いにはガクアジサイやヤマアジサイが植えられ、境内には大銀杏があり、時期になると多くの参拝者が訪れ、お参りと共に境内の散策も楽しめる巌殿山正法寺。

機会があれば、再度来てみたいと思います。

それでは、また。