近世城郭御殿の最高傑作 名古屋城 本丸御殿

名古屋城 本丸御殿は、愛知県名古屋市中区本丸にある史跡です。

名古屋城 本丸御殿

名古屋城 本丸御殿は、名古屋城の本丸内にある御殿です。1615年に建てられ、政庁として使用されました。1945年の空襲で焼失し、1994年から復元工事が行われ、2018年に完成した復元された本丸御殿です。

名古屋城 本丸御殿

本丸御殿は、総面積3,100平方メートル、13棟30余りの部屋からなる大型の御殿です。その建築様式は、近世城郭御殿の最高傑作と称されています。

名古屋城 本丸御殿 玄関車寄

玄関車寄は、本丸御殿を訪れた人がまず通され、対面を待つ場所で、古くは遠侍(とおざむらい)と呼ばれた建物です。襖(ふすま)や壁は金地の障壁画「竹林豹虎(ちくりんひょうこ)図」が飾られ、虎之間とも呼ばれました。

名古屋城 本丸御殿 表書院・上段之間

御殿には、表書院、上洛殿などがあり、復元にあたっては、現代の名工たちが細部に至るまで技巧の限りを尽くしました。天井に、欄間に、襖の引き手に、襖絵に、受け継がれてきた匠の技と叡知の数々を窺い知ることができます。

名古屋城 本丸御殿

名古屋城 本丸御殿では、デジタル複製が採用されています。デジタル複製は、高解像度のカメラが用いられ、当時の史料や資料を徹底的に研究し、当時の色彩や技法を忠実に再現しています。本丸御殿の歴史的価値を保存し、後世に伝える取り組みとして、大きな意義を有しています。

名古屋城 本丸御殿 玄関・一之間

玄関・一之間は、本丸御殿を訪れるとまず通される場所で、勇壮な虎が迎えてくれます。1枚の大きさは縦約2メートル、横約1.5メートル。4枚をつなげると、金箔を背景に虎と豹が竹林に集う様子が描かれています。デジタル複製ではない、重要文化財障壁画の「竹林豹虎図」は、特別展示された時期もあります。

名古屋城 本丸御殿

玄関の先には、表書院があります。表書院は、藩主の接見などに用いられた部屋です。この部屋は、格式の高い部屋の入り口にあたり、格式の高い部屋にふさわしい、豪華な装飾が施されています。

名古屋城 本丸御殿 表書院・三之間

表書院は、創建時には、最大かつ最も格式の高い間として正式に藩主に謁見する際に用いられ、江戸時代には広間と呼ばれていました。

名古屋城 本丸御殿 対面所

対面所は、藩主が身内や家臣との私的な対面や宴席に用いた部屋です。豪華な折上小組格天井(おりあげこぐみごうてんじょう)も見どころの一つです。

名古屋城 本丸御殿

御殿の内部には、金箔や螺鈿、彫刻などの精巧な装飾が施されています。これらの装飾は、細密で繊細な美しさを湛え、非常に歴史的価値が高いとされています。

名古屋城 本丸御殿 上洛殿・上段之間

上洛殿は、本丸御殿で最も絢爛豪華な部屋です。室内の装飾は細部まで贅の限りが尽くされ、「帝鑑図(ていかんず)」や「雪中梅竹鳥図(せっちゅうばいちくちょうず)」などの傑作を鑑賞することができます。

名古屋城 本丸御殿 上洛殿・梅之間

梅之間は、本丸御殿の中でも、特に豪華な装飾が施された部屋として知られています。梅之間は、将軍をもてなす役割を命じられた接待役などの控えの間として利用されていた部屋です。梅の壁画は、将軍への敬意や訪問を祝う意味や、梅の花の華やかさと早春の訪れを象徴するなどの意味があると考えられ、梅之間の華やかな雰囲気を際立たせています。

名古屋城 本丸御殿

本丸御殿は、江戸時代の城郭御殿の魅力を今に伝える貴重な建造物で、名古屋城の代表的な観光スポットです。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。

多摩川にある渡し場跡 軍畑の渡し

軍畑の渡しは、東京都青梅市柚木町にある史跡です。

軍畑の渡し

軍畑の渡しは、多摩川にある渡し場跡です。鎌倉街道の渡し場として利用されていました。軍畑の渡しは、青梅市の史跡に指定されています。

軍畑の渡し

東屋のあるポケットパークのような休憩所が設けられています。軍畑の渡しには、レリーフ画や解説文が設置されて、渡し場としての歴史を知ることができます。高欄は古戦場に由来する鎧武者のモニュメントが表象されています。

軍畑の渡し

軍畑の渡しは明治時代になると、鉄道の開通により廃止され、現在は軍畑大橋が架かっています。脇には階段があり、多摩川へ降りることができます。

軍畑の渡し

階段は、軍畑大橋の下を通り、多摩川まで続いています。段数はさほど多くなく、しっかりと整備されています。

軍畑の渡し

多摩川まで降りてきました。軍畑の渡しは徒渉地でもあり、ワイヤーを張り滑車の付いたロープを舟先に結び動かしていました。川の水の多い4月から11月の間は渡し舟が使われ、少ない期間は丸太を組んだ仮橋が架けられていたそうです。

軍畑の渡し

軍畑の渡しは、多摩川の景色を眺めながら散策を楽しむのに最適なスポットです。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。

昔の家、昔のくらし 生きている民家 旧坂東家住宅 見沼くらしっく館 後編

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館は、埼玉県さいたま市見沼区片柳にある古民家です。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館は、埼玉県さいたま市見沼区片柳の加田屋新田を開発した坂東家の旧宅を、ほぼそのまま同位置に復元した野外博物館です。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

旧宅の中に入ってみると、その広々とした空間に圧倒されます。一般的な住宅よりもはるかに大きく、当時の坂東家の裕福さを物語っています。内装は、木材をふんだんに使った落ち着いた雰囲気です。天井は茅葺きで、昔ながらの日本の家屋の雰囲気を味わうことができます。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

旧宅では、当時の資料が展示され、説明パネルなどを使って、当時の生活様式や民俗文化について学ぶことができます。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

展示されている資料は、千石どおし、千歯扱(せんばこき)、ふるいなどの農具など、多岐にわたります。これらの資料を眺めることで、当時の人々の暮らしや文化をより具体的にイメージすることができます。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

おはじき、万華鏡、お手玉など、昔ながらの日本のおもちゃも展示されています。昔から親しまれてきたおもちゃは、どこか懐かしさや温かみを感じます。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

屋根裏はロフトになっていました。この場所は、使用人の部屋として使われていました。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

非常に大きなかまどが置かれています。かまどは、当時の人々が日常生活を営む上で欠かせない存在でした。このかまどは日常使いではなく、大量のお湯を沸かしたり、もち米を蒸すときに使用したそうです。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館では、農家の暮らしを感じとれるよう、囲炉裏には火が入れられています。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

囲炉裏は、本物の火を使っています。光のゆらぎや炎の揺らめきなど、本物の囲炉裏ならではの雰囲気を楽しむことができます。

旧坂東家住宅 見沼くらしっく館

当地で行われてきた「七夕飾り」「盆棚飾り」「十五夜飾り」「正月飾り」などの年中行事も再現しています。訪れた2月は、雛人形が飾られていました。

機会があれば、再度来てみたいですね。

それでは、また。