観音菩薩像が並ぶ「かんのん道」 香林寺

香林寺は、神奈川県川崎市麻生区細山にあるお寺です。

香林寺

香林寺は、1525年に開山したお寺です。開山時には観音堂があり、霊験あらたかな身代り観音が祀られ、香林坊と称していました。香林寺は、坂道のアップダウンがある都市近郊の住宅地エリアにあり、参道から階段が続いています。

香林寺 山門

階段を登っていくと、山門があります。山門の前には、巨木があり今では枯れているように見えますが、その枯れた姿もまた、独特の趣があります。青い空とのコントラストが、とても素敵です。

香林寺 太子殿

香林寺は、準西国稲毛三十三番札所となっています。準西国稲毛三十三番札所は、神奈川県川崎市と東京都稲城市にまたがる、33箇所の観音霊場で、香林寺は、この準西国稲毛三十三番札所の3番札所となっています。

香林寺 鐘楼

香林寺 鐘楼が建立されたのは、1978年です。細山第二土地区画整理事業に伴い、墓地を香林寺に移葬した供養のために作られました。今では、多くの人々の願いをこめた銅板も鋳込まれ、梵音を響かせています。

香林寺 本堂

香林寺の本堂は、1971年に庫裡を新築、新しい時代に備えて客殿も増築し、主柱欅、本葺瓦の立派な伽藍に生まれ変わりました。香林寺の本堂は、香林寺の歴史と伝統を守りつつ、新しい時代にも対応した、立派な伽藍となっています。

香林寺 かんのん道

山門から手水舎を通り過ぎると、香林寺の墓地の外周路には、観音菩薩像が並ぶエリア「香林寺 かんのん道」があります。

香林寺 香林寺 かんのん道

香林寺の略縁起によると、1469年霜月5日の夜、長者の家に盗賊が忍び入り、長者は盗賊と立合い顔に2ケ所の疵を負いました。しかし、一心に観世音の御名を唱え念じ奉れば盗賊は一人残らず退散したそうです。

香林寺

余りの有難さに観音様の御尊面を拝し奉ると、長者の負った疵はなくなり、御尊面に二ヶ所の疵ができていました。このことにより、香林寺の観音菩薩像は、身代り観音と称され、広く人々に信仰されるようになったそうです。

香林寺

香林寺は、1830年に火災に遭い、残念なことに観音菩薩像は姿を失ってしまったが、幸い、この尊像の木版印刷が発見され、現在は、本尊の代わりに、この木版印刷が安置されています。

香林寺には、五重塔があるので、今から行ってみたいと思います。

それでは、また。